第10話:欠陥品
「お前の学年、名前、年齢を教えてくれ。」
「第3学年次席、テル、17。」
「3学年でこれかよ……」
「ちょっといい……?」
「なんだ?」
「アンタ、名前は…?」
こいつ、テルという少女は現在縄で拘束され、俺から尋問を受けている。
ターゲットに投げ飛ばされるのですら想定外だったろうに、さらに執事がもと殺し屋だと言うのだ、可哀想に、そんで暴れられるのも面倒なのでちょっと脅してみたら大人しくしてくれた。
しかし、まだ自分の置かれた状況があまり理解出来ていないらしい。
「名前?アルトだよ。」
「……あの欠陥品の?」
あー、そー呼んでくるやつもいたなぁ…とか思いながら俺は無言で頷いた。
「嘘だ!!欠陥品のアルトは運動も出来ない、座学も出来ないそして人を殺す勇気もないやつだって噂だ!!アンタみたいな化け物のはずがないわ!!」
「うるさいな、そんでなんだその噂、尾ヒレ着きまくってんじゃねぇか。俺は人を殺す勇気はないけど座学も身体能力も学年トップだったよ。」
「…………仮に…仮にアンタがあの欠陥品だとしても、あいつもここに来て捕まって殺されてるはずよ!!」
「俺は殺されてない、どうせ "失敗したと知られたら消される" んだから。それにお嬢様に気に入られてな。匿って…いや、違うな……雇ってもらってんだよ。」
「……ッ!!」
"失敗したと知られたら消される"
テルはそう聞いた途端身体をビクンと跳ねさせた。
どうやら自分の置かれている状況が改めてよくわかったらしい。
「……嘘はついてない…みたいね。」
「最初から嘘なんてつかねぇよ。それでお前、テル…だったか?」
「アンタが嘘つかないとも限らないでしよ……で?なに?」
「ここでメイドとして働かないか?」
「は?」
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