第8話:非日常化の日常化
あれから1週間。
今日はどの使用人達も出払っていて屋敷には俺とお嬢様しか居ない。
最近ではすっかり仕事にも慣れてきた。
本当に簡単な仕事だけすればいいし、こんな財閥のお嬢様を狙ってくるやつも居ない。
……簡単な仕事をしているだけのはずなのに元からいた侍女さん達や執事さん達には助かるとか感謝されてるし…よくわかんないけど悪い気はしない。
主に力仕事とか任されることが多いけどそこまで重くは感じないし本当に楽な仕事だ。
俺は本当に悠悠自適な生活を送っていた。
"欠陥品"の俺にはこういう仕事の方が向いていたのかもしれない。
(あー、学園のみんなは元気かなぁ……)
ま、皆学園では顔を隠してる奴らも多かったし誰が誰とかはもうほとんど覚えてないけどな。
……あ、そういえばうるさい後輩がいたな。
俺の頭の中では
殺し屋としての仕事 > 生活(お嬢様)
から
殺し屋としての仕事 < 生活(お嬢様)
に変わっていった。
(あんな荒んだ仕事よりこっちの仕事の方が安定してるしそれもそうか…)
これからもこんな静かで楽な生活が続くと"思っていた"。
バシャーン!!!
突如お嬢様の部屋の方から窓ガラスの割れる音が聞こえてきた。
俺のような殺し屋ならばあんな騒がしくて痕跡の残るような出入りの仕方はしないのでお嬢様が何かをしていて窓ガラスが割れたと考えるのが妥当だろう。
しかし万が一の自体に備え体勢を低く、足の筋肉をフル活用してお嬢様の部屋へと急ぐ。
(頼むから面倒くさいことになるなよ……!!)
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