第2話:保護(?)

(あぁ……俺ももう終わりか。短かったけど、楽しかったな。)


諦めていた。しかしその時、


「待ってください!!」


近づいてくる見張りの男たちにそう大きな声で叫んだのはさっきまで俺に殺されそうになって泣いていた女の子だった。


なにをするつもりなのだろう。

もしかすると刑務所に入れられる前に拷問されるのかもしれない。

だとしたら嫌だな。


「ソラお嬢様、そこをどいてください。お嬢様を殺そうとしたそいつは死んでしかるべきです。」


なんと、俺は刑務所にすら入れてもらえず死ぬらしい。

じゃあなんでこの少女は見張りを呼び止めたんだ?


「この人は私が預かります!!」


は?


「お嬢様!!危なすぎます!!」

「この人はターゲットの私を前にして殺せなかったヘタレです!!もしこの人がなにかしたときは処刑をお願いします。」

「しかしなにかあったらでは遅いのでは・・」

「いいんです、私に任せてください。お父様には話を通しておきます。」

「…分かりました。それではお任せします。」


なぜだろう、この人たちちらりともこちらを見ない。

まぁ許可が云々言える立場じゃないんだけどね。

そしてなんでこの子はここまで俺をかばうんだ、俺をかばっても1円にもならないのに。

あ、財閥の令嬢だからお金は関係ないのか。

じゃあなんで俺をかばうんだろう。


すると見張りを部屋から追い出した少女はこちらを振り返りながら言った


「殺し屋さん私とお話ししませんか?」

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