第10話 綺麗な石は

 スティードに貰った石は肌身離さず持っていると願いが叶うらしいが、実際の所石をずっとポケットに入れておくのって何か違う気がする。


 うーん、どうしたもんか。


 コンコンとノックが鳴り、外からリミアの声が聞こえてくる。


「お茶をお持ちしました」


「ありがとう」


 ガチャリとドアが開きリミアが入ってくる。


 手際良く台車に乗せていたティーセットを並べ、紅茶を淹れてくれる。


「ねぇ、リミア。この石なんだけど」と言って机の上にスティードから貰った青色の石を置く。


「ずっとポケットに入れてたら無くしちゃいそうで怖いのよね」


「なるほど、でしたら小さな袋に入れておいたらどうですか?」


 小さな袋か、願いが叶う石だし御守りみたいな感じにして持っておけば効果ありそうだな。


「そうね、そうするわ。ナイスアイデアよ」


 まあ、ちっさい袋に入れておけば無くさないだろうし安心だな。


 リミアの案を採用してさっそく俺は御守りみたいな小さな袋を作ってもらい、勝手に俺のマークにしているピンクの濃い色の桜の花びらを刺繍してもらった。


 願いはもちろん恋愛したい、これ一択だ。

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