鳥籠の鍵

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空ろな鳥籠に 琥珀の鍵をかけて

もう なんにも閉じ込めたくないから


膨らむ蕾みに 銀の雫をかけて

あした綺麗なバラが咲きますように


        どこまでもどこまでも 出口のないこの植物園を


少女はただ駆けて駆けていく

頬を赤く赤く染めていく 


遠く呼ばう声も聞こえない


どこかにあの泉を見つけるまで



硝子の窓の 星に願いをかけて

細い手足が今日も耐えますように


        いつまでもいつまでも 終わりのないこの植物園で


少女はいま欠けて欠けていく

月が白く白く醒めていく


泡沫の眠りに息をして


いつかあの翼を見つけた場所へ



少女はただ駆けて駆けていく

頬を赤く赤く染めていく


少女はまだ懸けて懸けている

羽根が青く青く舞い上がる


少女はまた駆けて駆けていく

髪を黒く黒くなびかせて


羽根が青く青く舞い上がる


未だ焦がれた日の姿のままに



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