ムリヤ
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遠い国の言葉で『
世界にたったひとつの、美しい飛行機
その翼が飛ぶのを目にするとき、人は
まさしく夢を見ているような顔になる
なぜってその美しさもさることながら
目の当たりにしてさえ信じられぬほど
なにもかも、桁はずれに大きいからだ
夢うつつのその姿に心奪われるからだ
そして夢から覚めやらぬ顔でこう思う
「どうしてこんなにも大きいのか」と
聞くところによれば、かつて世界を二分した超大国の片隅で『夢』が生まれたのは、
人々が熱狂の中、空の高みのその先を目指した時代の、その終わり間際のことらしい
巨大な翼は、青い空の遥か上、藍より青い
なるほど、その翼の大きさはそのまま当時を生きていた人々の夢の大きさなのだろう
だが飛び方を覚えてすぐに彼の地では国の名前が変わるほどの出来事が起きたという
そうして一つの時代が終わり、続くはずの『夢』の飛行もたった一度きりで終わった
それでも、たった一度だけれど立派に夢を運んで飛んだのだ
運ぶ夢を無くして見えても、『夢』の翼はまだ空にあるのだ
ならばきっと、夢はまだ翼の上に――
いつか誰かの夢を背負い高くまで飛んだ翼は
いまは誰かに夢を分け与えながら飛んでいる
その生え際に、かつての名残を残して
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