抱いた思い(後編)

 きっと結城は夢見たのであろう、ぬいぐるみ越しで抱かれることを。


 しかし彼女は子供の頃から両親の不仲を見ていて心の傷をぬいぐるみたちに与えていたのだ。

 どんな思いをして結城は死んでいったのだろう。



 そしてゴミ箱からは手紙があり

『これを他のぬいぐるみと同じように接してね』

 と。


「ほんとバカだな」

 泣き笑う妃里亜を見てシバは同情するしかなかった。


 誰への同情かわからないが。

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