解除(777文字)
警察官である冬月シバは狭い部屋の中でバディの帆奈と共にいる。
目の前にクマのぬいぐるみが置かれている。鍵は先程ガチャリ、と鳴った。
「これね」
帆奈が触ろうとするとシバは直ぐに止めた。
「時計の音がする。立ち上げた瞬間……ドカン」
「わかってるわよ」
「お前はすぐ可愛いものに飛びつく。犯人にとっちゃ好都合だな」
帆奈はキッと睨みつける。
「すぐ決めつけるの腹立つんだけど」
「るっせーよ。事実なんだから」
部屋の中は違った意味でピリピリ。
この2人は仕事だけでなくプライベートでもバディでもある。
シバはゆっくりとクマのぬいぐるみが置いてある机の裏側を見るとビンゴ、爆弾が。
そしてその前にテンキーが。上には時計があり15時になると爆発するらしい。
「『数字の一つを押せば爆弾は止まる。間違えたら爆弾は作動する』だと?!」
「爆弾班来るまで時間がかかる、その前に爆発するわ」
「も少し時間の猶予ほしいよな。あと5分だぞ!」
部屋に入ってちょっとした小競り合いをしてしまい時間が過ぎてしまったのはいうまでもない。
「とりあえず番号何か押すぞ!」
「あんたはいつもそういう衝動的な行動が!」
「大体7だろ」
と7を押そうするシバ。
「だめよ! 7ってラッキーだから当たりかもしれないけど裏をついて爆発するわ!」
「たくいつもネガティブなんだよ、馬鹿か!」
すると帆奈はさらに激昂した。
「馬鹿は誰よ。あーあ、あんたに巻き込まれて死にたくない」
「まだ爆発するとは限らん! そのネガティヴやめろ。生きて2人帰るんだろ」
「……シバ」
「お前のこと……守る、命に変えても」
帆奈はシバのポジティブさに少しドキッとした。
「ってやべ、あと30秒!」
「なにやってんの!」
モニタールーム
「教官、この2人不合格で」
「わかっとるがもう少し時間伸ばして痴話喧嘩でも見てるか」
「……教官もお好きですねぇ」
警察学校の授業での一コマであった。
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