第6話 先生方の苦悩

 それから少し経ち、教頭先生が急に教室に入ってきた。流石に授業時間では無く、休み時間だだったと思うが。


「どうだ!?あの子は挨拶するようになったか!?」


 教頭先生が担任の教師に大声でく。


「…いや、まだのようです。」


 頭頂部がうっすら禿げており、白髪だらけの、この学校のナンバー2は、口角こうかくを上げて笑ってるようだが、眼はわっており、笑っていない。


「私も念のため、色んな先生に相談してみたんだが、挨拶だけはどんな優しい先生に相談してもさせなきゃダメだと答える。そして私もそう思う。だからなんとしてでも、してもらうように、しなければならない。」


 と、正論を言い放った。


「そんなところに、ポリシーが発生するとは、思えないんだけれども…。」


 と腕を組みながら、遠くを見ながら、言葉を続けた。


「…分かります、分かります。」


 と、担任の若い先生も相槌あいづちをうった。


「・・・なんか、事件でも起きなければいいんだけれども・・・。」


 と、教頭先生は沈鬱ちんうつに、憂慮ゆうりょした。


 それを聞いた私も、


(マジかよ、こんな近くで暴行事件とか、傷害事件が起こる可能性があるのかよ…。)


と、恐怖で身を強張こわばらせた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る