第4話 最大の謎

「その子」と親しくなって、ある不可解な行動が目についた。


 もう、内容は覚えていないのだが、何か彼の家のセンシティブな話に、なると、「その子」と、お兄ちゃん、お姉ちゃんを含め、3人とも完全に黙ってしまうのであった。


 非常に不可解に感じたので、私が私の母親に相談すると、「その子」の親は「前に通帳の暗証番号を、他人に言ってしまったので、自分にとって都合の悪いキワドイ話題になると、だまるように教えている。」


 とのことだった。


 これは、まあ、もっともらしい理由であろう。

 

 しかし、次の「謎」は本当に最大級に「理解不能」であった。


なんと、「その子」の両親は自分の子達に、


・・・今までの私の人生で親が子供にのは、この家庭だけである。


 当たり前と言えば当たり前だろうが・・・。


ある時、小学校の教頭先生と、我々の担任の先生が、


挨拶あいさつは大切なので、しっかりやるようにしましょう。みなさん、よく聞いてください。挨拶は本当に大切なものですよー!」


 と、下校時に生徒たちに呼びかけていたが、「その子」の母親が、


「挨拶無駄だよねー!挨拶無駄だよねー!!」


 えて教師に反抗しようという悪意は、垣間見かいまみえなかったものの、自らの子供に言い聞かせてしまい、その場の空気はこおり付いてしまった。


 



 



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