第3話 事件

 私の家は、学校の先生が何人か居る家庭であった。


 なので、礼儀やしつけけは物凄い厳しかったが、当然であろう。


 ある時、登校の最中に、「事件」起こった。


 一番初めにの私の家に衝撃が・・・いや、戦慄せんりつが走ったのはこういう出来事であった。


 私の通っていた小学校は丘陵地帯きゅうりょうちたいの上の方に有り、途中小さな山を越える格好かっこうになるわけだが、その通学路の広場で、


 その「家庭」の母親が「人間関係は物と物でしょ!?」


 ・・・と、自分の子と、その同級生が居る前で発言したのだ。


 すぐに周りの大人たちは色めき立ち、


 「バカを言っちゃあ、いけないよ、あんた!!」


 「子どもたちの前でなんてことを、言うんだ!?」


 と激しく、非難されていた。


 その一部始終を見ていた時は、周りの子たちといっしょに、大爆笑したのを覚えている。


 我ながら、今、思ってみると危機感が無かったな・・・。と反省すべきであった。


 後日、元・軍人でK高校のO校長先生に相談すると、


「それは、まともな親では無い!!!」っと一喝いっかつされた。


そのあとに、


よしちゃんは可哀想だけど、小学校に入って一番初めに、友達になった子が、そういう親の子なら、芳ちゃんの人生は大変なものになるかも知れない・・・。」


 ・・・そう、何故なぜか私が怒鳴どなられ、同情されたのだ。


 その時、私が何故、「可哀想」なのか、私の人生が何故「大変なもの」になるのか、皆目見当が付かなかった。


 今思ってみると、距離を取らねばならない家庭だったのだろうが、その頃は私も小学校の一年生。


 ・・・そこまで、頭が回るはずもない・・・。


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