第1話 その家族



 その子は大きな瞳を持ち、彫りの深い二重瞼ふたえまぶたが特徴的な、至って普通の少年であった。 

 

 その「家族」の異常性に触れるまでは、そう信じていた・・・。


 私の家系は教師が数人おり、人としての教育が厳しく、学校の勉強やスポーツがどれほど優れているかよりも、けっして綺麗事きれいごと無く、人間性も重視した躾けであった。


 幼稚園のみぎりに、その子と初めて出会った。 第一印象はやはり、普通の母子おやこと言う感じで、彼とは通ってる幼稚園が違い、100メートルほど離れたバス停で、待っていた。


 その時分、私はO君とH君という子と同じ、幼稚園に通っておりその子との接点は、何もなく同じくらいの年の子、と言った印象で特に変わった様子もなく、時間が過ぎた。


 あるとき、好奇心旺盛なH君がその子のところまで歩いて行って、「友達になろうぜ!」っていう感じで誘った。 

 

 もうかなり前なので、記憶が定かな部分は無いのだが、やはり普通に私たちは仲良くなった。


 その子の母親も当時は30代の中盤から後半だったと思う。ちょっと服装が派手な印象はあったが、逆いうとそれだけ。とくに不思議な点は存在しなかったように思う。


 この時期は本当良かった。まさかこの子が私の人生にとってこれほどまでに、大きな影響を与えるとは、思いもよらなかった・・・。


 

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