第4話 気が付くという事
初出は~なろうにて2015年5月。現在は検索除外中。
文字数500文字程度。
謎のエッセイw
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気が付くというと、一見良いイメージだが、そんな事はない。
小学校の頃、掃除の雑巾を友達に借りながら、忘れて掃除が終わってからその友達と教室で遊んでいた時だ。僕が何かの用事で教室を出た後に別の友達と話している声が聞こえて来た。
「雑巾返してもらった?」
「ううん。返してもらってない」
「忘れてんじゃねーの。良く遊べるなー。言えばいいのに」
「ホントは困ってる」
等々、外で聞いていた僕は恥ずかしかった。
急いで雑巾を置いたであろう場所に向かい、持って戻って来て
「ごめーん忘れてた」
と、何食わぬ顔で返した記憶がある。
これは多分子供だったからかも知れないが、本当に心の底から恥ずかしかったので、今でも覚えている。
このように僕にとって気が付くは、保身・自分を守る術に思える。
気が付くのは自分に関わる事ばかりだ。
気が付く人というのは、案外周りを注視して良く見ているようで、自分に回帰しているように思う。
自分が間違いを犯さないか。変な事をしてないか。周りからどう見られているか等。気を付けているのだ。
だから、気が付くという言葉はそんなに良い言葉ではないのかも知れない。
そう思うと、気が付く人(自分の事)よりも気が利く人(他人の事)になりたいと思うのだけれども。
多分なれるならとっくになっているという話だ。
おわり
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