珈琲の香りと共に

今日の珈琲は、何にしようか…

あの人に似合う、あの人の好みの味は、どの豆だろう。

爽やかな風味?渋い苦味?こっくりとしたコク?

どんな顔をしてくれるのか、喜んでくれるのか、味わってくれるのか。 

飲む人を思い浮かべて、豆を選ぶのは楽しい。


今日の天気には、どの豆にしようか。

良く晴れた日の朝には、ガツンとした苦味で背中を押して送り出してあげたい。

鼠色の曇りの昼には、深いコクで癒して少しだけ休ませてあげたい。

雨が降り続く夜には、軽い風味で包み込んで明日への希望を持たせてあげたい。


どんな人が、どんな時に、何を思って珈琲を飲むのか。

私はそこに少しでも、いい香りの美味しい珈琲で力をあげたい。

たった1杯の珈琲が誰かを幸せに出来るように、私は今日も豆を選ぶ。

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