第12話 再闘

「ファアア……」


 現世に戻った銀次が目を覚ました。周りの景色で、すぐに今が深夜だと認識した。


「酔いが足りなかったのかも」


 眠気が覚め切ったので、銀次は睡眠導入剤の代わりにウイスキーを口に流し込んだ。すると、たちまちのうちに体調が急変した。僅かの間もがき苦しんだ後、銀次は再び意識を失った。




 ――銀次は再びあの世の裁判所に行き、エンマ様と対峙した。


 そして、天国か地獄かの判定は銀次自身を玉にして、大当たり確率一分の一に設定された巨大パチンコ台のヘソに入賞できるかどうか次第、と銀次はエンマ様に宣告された。


 覚悟を決めた銀次は銀玉になり、パチンコ台の中へ。様々な釘と自身の過去を照らし合わせながら奔走ほんそうし、何とかヘソに再び飛び込むこと……即ち、大当たりの獲得に成功した。


 その大当たりは確変だったので、エンマ様が一つ、銀次の願いを聞き入れてくれることに。


「元気だった頃に戻してくれ」

 という銀次の願いを、エンマ様は了承りょうしょうし、銀次の魂は再び、現世の彼の肉体へと戻っていった――

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