第9話 慟哭

 銀玉は寄り釘エリア終点、風車の真上に到達した。左に零れたら、一巻の終わり――ゲームオーバーだ。


「うおおおお――」


 銀玉は魂の咆哮《ほうこう何で、あの時は真剣に考えなかったんだ……」


 銀次の黒歴史を仕舞い込んだ筈のタンスが次々と開かれていく。




 ――銀次の高校時代、それは実にだらけ切った青春の日々だった。勉強は碌にせず赤点続き。スポーツもせず帰宅部。ひたすら、友達や恋人と様々なスポットとシチュエーションを楽しむだけの日々だった。


 高校卒業後も、大学や専門学校に進まずに、

「いつか、どうにかなるさ……」

 と銀次は楽なフリーターの道を選んだ――




「もういい、たくさんだ――」


 銀次は心の慟哭どうこくを必死に押さえつけた。

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