第3章 7のその先へ
「悠希、君は生きろ、それが恵翔の望みだ。精一杯叶えてやれ」
「はい!」
「それから悠希、君にこれをあげよう」
そう言ってマモンがくれたのは青白く丸い小石のようなものだった。
「辛くなったらそれを強く握りしめなさい」
「はい。ありがとうございます」
マモンは力強く頷くと
「では悠希、強く生きろよ」
と言い、その場で軽くジャンプをする。
それからの記憶はない。ただ起きたら知らないベッドにいた。母には泣きながら抱きつかれ、父は担当医のような人に何度も頭を下げていた。
7つ目の夢から覚めるとあの飛び降りた日から3年が経っていた。
窓の外には色鮮やかな景色が広がっていた。今度先生のお墓参りにでも行こう。
これからは強く生きる。
先生が救ってくれたこの命と、青白い小石と共に生きていく。
黒に染った7の先 海羽柚花 @miwayuka
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