第22話

月に1度いくその店は、自然派、有機食材を看板にする私の行きつけだった。

たいした量は買わないから、店の売り上げにはそんなに貢献してないけど、41歳、同じ年の店主は、商品の現地視察から栽培、味の確認と、幼児のような私の、なになに?なぜなぜ?に懇切丁寧に対応してくれるので、通うのがルーティン化している。


みつけて3年になる。ネット検索で地味なブログとピントのぼけた写真が偶然、目に入った。


「いつもの卵と、お米とニンニク、あとカブ、に人参、ミニトマト」


あらかじめ電話して取り揃えてもらった。


毎月第3木曜日、卵の入荷日にあわせて店を訪ねる。その他の食材は気分や料理にあわせて選んでいる。店に行って目に入ったものを追加することもある。


10坪もない店内、ただ同然の家賃でないとやっていけないと前に聞いた。野菜の陳列台は手作りで、板もどこかから拾ってきたような小汚い色をしてる。掃除はこまめにしてあるから、なぜか外より店内の方が、澄んだ空気がめぐっているような錯覚に陥る。多分野菜の香りも助けている。


店主の三谷はデニムエプロンのポケットに両手を突っ込んで、顔をにんまりと崩し

「よぉ」

といった。

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