第15話

「みかんさん、お母さんの手料理みたいって、みんなバクバク食べてます。おかわりないかって」


店の一番手、つばさが厨房にやってきた。

ねぇよ。


「あら、よかった。でもごめんねぇ、あれで終わりなのよ」

「残念」


普段、何食べてんのかしらんけどさ。

だいぶ盛り上がってるみたいで、たばこの臭いが裏まで届く。

さ、あとはやつらに任せて、帰ろ。


「そろそろ帰る。のぞみ、呼んでくれる」

「えー、そうなんですか」


のぞみは息をきらせてやってきた。


「じゃ、帰るね。お代5マン、ちょ」

「え?マジ…しょうがないね。いやいや、ごめん、突然頼んじゃって。助かった。ありがとう」


あんたは今日1日で最低100万は稼ぐだろうて。

裏の控室に入り、ごそごそいじる音がして、バタっと金属を弾いたような音が鳴ると、のぞみはニヤついて戻ってきた。


「確かに5万、じゃッ、バイ」

「せっかくだから、先生方に紹介しようか」

「遠慮しとく」

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