第14話

染めているかしれないが、白髪の全くないオールバックはしっかり固められ、テレビでみるそのままだった。頬や顎にかけては意外と肉が豊かで肌は白い。そうした公家出身の上品な臭いのなかに、人を居竦ませるような大きな目をしており、それが魑魅魍魎だらけの政治の世界を物語っているようだった。


「人相の悪いヤツほど、出世する世界なんだよ」


いつか聞いたその言葉に、改めて、なるほどなァと思った。


集団は二手に分かれ、無礼講のつもりなのだろう、若い連中はさっそく、カラオケにしがみついて女の子の手をとりあい、声を張り上げていた。

大将の方はいうまでもなく、のぞみが相手する。

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