第12話
まだある。
炒め物も一品くらい、いるだろ。
キャベツを豚コマで炒める。おっさん達はキャベツの葉脈が固くて嫌いなはずだから、包丁で丁寧にとる。これが結構めんど。
油はこめ油に限る。そこにごま油をたらせばキャベツの有機溶媒みたいな臭みがとれる。
客は予定より、10分遅れでやってきた。
ああ、多分アイツだな、とマスコミでよくみかけるおっさんが若い衆を引き連れて入ってきた。
「いらっしゃいませ」
真っ赤な革張りのソファーの中心に大将が座り、序列が決まっているのだろう、年齢に応じて端に行くほど若い奴が席をとった。
総勢10人、彼らが地元の利権を握る政治屋の群れだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます