第11話
彼女の戦闘モードをたまにみると、ああやっぱりプロだなぁって感心する。
小奇麗に整頓された、キッチンにはあらかじめ指示してあった鰹節のだし汁が、上澄みを揺らしながら鍋に仕込んであった。
締めの味噌汁は赤みそをとき、ナメコと絹ごし豆腐とワカメをぶっこむ。
ほうれん草のお浸しは私流だとゴマみそダレ、なんだが、おっさん達の舌には甘さが余分。よってポン酢といりゴマをからませる。ほんとは白魚を振りたいが、ない!
刺身と肉。
刺身…テンパー引きとか半額とか、赤汁のたれた刺身しかおいてないこの時間、カツオは冷凍から解凍しても、そこそこうまい。運よく魚屋にストックが置いてあった。ショウガをすってだし汁をまぜたポン酢で口に入れば、満足するだろう。
肉…実はこそっと食べてようと冷凍庫の隅に隠してあった、お取り寄せのローストビーフがある。うちの客に出す予定だったのに、仕方ない。自然解凍の時間はないから、包装ごと、微温湯につける。そしてサクサク、切って、ちょい玉ねぎのスライスを上にのっけて冷やしておく。
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