第2話

12時の閉店は7年前のオープン以来、ずっと変わっていない。


いろんな人間たちがやってくるが、この二人はほぼ週に2回、もはや習慣化したようにやってくる。


週に4日しかあけてないから、半分の確率で二人の顔をみることになる。

日曜から火曜は休み、水曜日の6時頃、クタクタの腰を上げて店を開け、小皿にお通しを仕込んで、7時にオープン。


誰も来ない日もあるし、5つのカウンターと二つのテーブル席が暑苦しく、全部、埋まることもある。


忙しい時は常連さんに勝手にやってもらってる。人を雇うのは面倒だし、儲けるつもりも拡張する予定もないから、ヒマつぶし風に細々続けている。


出す酒は限られている。好きなのはワインだが、保存が効かないし、高いやつは管理が微妙だし、上客がきたら、高いのを原価かける2倍くらいで出すが、多くは2千円をメインに自分で試飲して出している。高い奴、2千円、5千円の3本、冷蔵庫の野菜室にて寝かせる。


あとは適当、ウィスキーはシングルモルト、好みはアイリッシュ。ビールは近くの酒屋のタンク詰、一杯500円、焼酎は芋と麦、九州産、4種類くらい、日本酒はこれもやっぱり保存が効かないから、小瓶で買えるのを3種類。


酒が時々足りなくなるから、コンビニの缶酎ハイでごまかすこともアリ。テキトーすぎて、時に叱られる。


カクテル?チャラいのは無理、無理。


どっかで修行したわけでもなし。なんなら、トマトジュースにウォッカとレモン、ちょっと塩をふって、ブラッディーメアリを女子に出すことはある。

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