第32話
「起動、『小烏丸』」
フィィィィ!
「烏裂斬」
取り込んだ空気を圧縮し斬撃と共に射出。切っ先がなぞった軌道を空気が走る。
「
突きの瞬間だけ空気を纏い、僅かながら殺傷圏を広げた。しかし真価は突きの瞬間の空気の破裂により威力を上げることにある。
「
空気の取り込みと射出を逆にすることにより剣速そのものを上げる。大振りながらも向けた方向に刃が自ら走る。
「うむ、問題なし」
「それは良かった。他に付け足して欲しい機能とかはあるかい?」
破損した小烏丸の修理が終わったとのことで受け取りと確認のために練武室で技師2人でいると、突然そのようなことを言われた。
「いえ、自分如きが『刀』を持たせていただいているだけでも恐れ多いのです。これからは自分がより技を磨かなくては」
「そう?それならこっちの『刀』も試して欲しいんだが、どうだろう?遺跡の怪物を相手にどれだけの威力があるかをさ」
そうして差し出される小太刀。
「銘はね、『蜘蛛切り』というんだ」
「『蜘蛛切り』.....」
そうして『小烏丸』と『蜘蛛切り』二本の『刀』を腰に差し顔を引き締めて遺跡に向かうのだった。
それをニコニコと眺める技師が1人、部屋に残された。
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