第31話

狩人の連盟ハンター・レギオン探求者の協会シーカー・レギオンとは役割が全く違う。


探求者が遺跡の調査をすることが目的であり、当然ながら協会はその調査結果をまとめたり集積・分析することが本来の役割となる。その傍ら素材や金銭なども会計し運営しているのだが。



狩人の目的、というよりも元々の役割は調査をしている探求者たちの護衛であった。壁画の探索や素材の採取をする探求者が安全に作業できるように身の回りを守っていたのがはじまり。それが実力に応じて危険度の高い地域エリアや長時間の護衛に対応できる人材を適材適所と配置していくために実力査定などをしてランク分けしていた....と言われている。



閑話休題それはいいとして



現在の狩人たちの役割は過去と違い、遺跡の怪物を討伐し続けることにある。

それにより間引きと共に良質な素材を狩人のみならず遺跡街全体に供給しているのだ。


ただ中にはというか過半数以上が、ひたすら強くなりたいとか戦うのが好きだとか、若干人間性を疑うような者もいる。



機構武装とは魔法の素養のない狩人が強い怪物を倒すために編み出されたものだ。

ひたすら戦闘経験や鍛錬を積んでもいつかは頭打ちになる。それならば戦い方そのものを変えようとした結果、専用の技術が必要だが大幅な戦力の底上げに成功した。





咆哮せよ抜刀、『獅子王シシオウ』」

ガァァァ!!!


それはまさに獅子の咆哮のごとく。

小型の怪物はその駆動音うなり声を聴いただけで意識を失った。

しかし目の前にいる大型の六本脚の獅子は僅かに怯んだだけで敵意を失わなかった。


しかし、その僅かが命取り。


刺し貫け起動、『虎徹コテツ』」

しゃりん。


鈴の音を響くと六本脚の獅子は絶命していた。

外傷らしきものはこれまでに斬りつけた傷ばかりで新しい物はないように見える。


「さぁ、解体して持って帰るぞ」

遺跡の中、女剣士と巨漢の剣士が微笑みあった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る