第30話

「機構武装、№06、銘『小烏丸』が破損。また当該武装を探求者の目前で使用、と。まぁこれはそこまで特殊な機構はしてないし、あちらなら魔法で再現できちゃうだろうしな」



銘『小烏丸』。太刀型。効果は『気流収束』。

刀の峰部分から空気を取り込み切っ先から圧縮した空気の斬撃を射出する。風系魔法陣を補助として刻印し、触媒として大鷲烏の尾羽を内蔵している。


効果としては単純だが空気がありさえすれば使用が可能であり、仮に看破されても『見えない斬撃』として有効打足り得るという観点から開発・使用されてきた。


数日前の騒動で実戦投入されたが物質化した炎の槍と打ち合って破損した。



「これらの『刀』なら、どうだったのかね」

修理中の刀もあれば新品同様の刀もある。



「試し斬りの依頼でも出しておくか」

小太刀と呼ぶ大きさの刀を手に取り、刃を眺めた。


「いっておいで『蜘蛛斬り』」

狩人の連盟ハンター・レギオンの一室で男がひとり笑っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る