第7話

霊装とは、霊石や魔力を使用した道具である。

それは多岐に渡り様々な用途がある。


例えば遠方の対となる装置に手紙を送ったり、水を生み出したり、熱や火を出すものもある。


中でも探求者や探索者、狩人などの遺跡に潜る仕事をしている者には怪物を攻撃したり身を守ったり、灯りや重量を軽減するなどの霊装が好まれる。


中には霊石をつけずに魔力を直接流す必要があるものもあるが。



遺跡内部で拾える霊石。これは魔力が結晶化したものとも、鉱石が魔力の器になったものとも言われている。


さて霊装屋とは、そんな霊装を販売する場所である。作成には必要な機材や素材などが必要なため工房アトリエなどで作られるし、名のある職人は個人的な工房を持っているものだ。



「おーい、じーさん生きてるー?」

「む?小童、また来たのか」


霊装屋のじーさんはザ・職人という出で立ちだ。頭に巻かれた布の下はごく短く刈られた髪がある。歳をくっても毛がなくならないから逆に面倒だと前に言っていた。


「ウチに来たってことはまた潜るのか。お前さんも難儀なもんだ」

煙草を咥え全く表情を変えずに言う。


「まぁね。前に頼んだやつはまだ難しい?」

「あれな、構想はなんとか出来たが実用化にゃまだ至らんわ。それでももう少しだろうよ」


「それなら、あれは引き続きお願い」

それならそれでいつもの装備は必要なので。


転移用の目印マーカーが10本とライトを1つ。


じーさんが作ったやつが一番安定してるんだよね。そこは職人としての腕なんだろう。



「いつものやつだな。普段の調査と変わらねぇと」

「そりゃ、そこまでヤバいのまはまだ見つかってないから。次は専門的なのがいるかもしれないけども」

「まぁそんときゃ必要なら作ってやるさ」

男前!


「そん時は頼むね。それじゃまた来るよ」

「おう、気ぃつけろよ」




当面必要な準備はこんなものか。

あとは出来るだけ情報集めて精査が必要だ。


あ、酒場か食堂にでも行くか。

まともな食事が出来なくなる前に。



白パンにハンバーグ、チーズに果実水とワイン!

うまうま。




さて、明日は装備の点検だけして明後日に備えよう!

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