第6話

「ごめんくださーい」

古びた雑貨屋で奥まで届くように、大声を出すと・・・

「うるさいね!そんな大声でなくても聞こえてるよ」

のっそりとお婆さんが出てきた。


「おばーちゃん、また探索に行くことになっちゃってさー。いくつか補充とかさして?」


「アンタ、この間行ったんじゃなかったのかい?まぁ下っ端から使ってくれてんだ、文句言わずに行っておいで」


話をしつつ入り口に置いてあるカゴに欲しい物を入れていく。

ロープ2本、マッチ1つ、撥水布の大きいの、折りたたみの杖1本、強化試験管5本、小物入れ用の小さめの袋3枚、固形燃料2個。


このお店では大抵多めに買っていくことにしている。

物が良いからね!


「こんなもんかな」

「あいよ・・・・・・合わして銀貨3枚と銅貨7枚だが、銀貨3枚でいい」




「なんでそんなに安くなったの?」

「下っ端からは金は取らないよ。それにそこたで損もしてないし、釣を渡すのもめんどくさい」


「まぁそれでいいなら、いいんだけど」

「代わりにだけどさ」

「なんかあるんじゃん・・・・・・なに?欲しいの?やるの?」

過去に勝手に安くされて、アレがほしい、ソレをやってくれ、と注文がつくのだ。


「いいじゃないか。あんたは安く物が買える。あたしは用を済ませられる。ぼったくってるつもりも無いしねぇ」

本当にそうだから何も言えないんだけどね。


「ホレ、手紙を食材屋のハンスまで頼むよ」

「はいはい」


どうせ食材屋にも行くから丁度いい。



「おーい、ハンスさーん。手紙だよー」

「ん?お、雑貨屋の。いつもありがとな」

「いや、雑貨屋でなく探求者です」

まだ転職してない!


「あ、あと調査があるから色々欲しいんだけど」

「まいどあり。潜るんなら干し肉とかか」


黒パン10こ、干し肉が色々合わせて5本、干した魚も5本、香辛料に塩、ドライフルーツは1瓶。

「しめて銀貨4枚と銅貨5枚だな」

「はい、ちょうど」


「にしても、また調査とやらか。なんかやばいのか?」

「まぁ大丈夫でしょ。頼りになる人が調査に向かうし」

「雑貨屋のお使い小僧が行けるくらいだしな!」

あははは。


「んじゃあまた来るね。他にも支度あるし」

「おう、気をつけてな」


あとは霊装屋も見とくか。

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