第5話
「失礼、『白刻』とは、まさか、あの?」
『黒霧』どのが驚きの声をあげる。
他の名だたる面々も驚きに顔を強ばらせている。
「悪ぃけど、俺は『ビャッコク』ってのは知らねぇんだが・・・そんなに有名人なのか?」
『赤猿』どのだけは知らないようで首を傾げていた。
「まず『刻』の称号は歴史に関わる何かについての功績があって贈られたものね。ほら、ヤマト国とか九狼国とかの絵本見たことあるでしょう?」
『赤猿』どのの疑問に答えたのは『教授』どのだった。
流石に自分で説明するのは恥ずかしいので助かります。
「あぁ、あれって空想じゃねぇのか。それはすげぇ発見したな」
「そうね。ちなみにそれを成して称号を得たのは100年くらい前向きだったかしら」
「は!?」
「そんなに細かく覚えてませんが、120年前くらいですかね」
「いや、ちょっと待て!アンタ!俺らよりもいくらか若いだろ!?それが120年前に称号貰ってってなんだそりゃ!?」
「つまり、彼は120年間あの姿のまま探求者をやっているということだ」
『黒霧』どのも口をはさむ。
「まさか、生きた伝説とも言える方にお声をかけていただいていたとは・・・・・・」
「まぁそんな大したもんでもないですって。ここに集まった皆様も似たような感じでしょ?」
((((いやぁ・・・・・・))))
その場にいた人の意見が一致していた。
「まぁ私のことは置いといて。これで今日集まった主目的は終了です。探索開始は明後日からなので、明日までに諸々の準備をしてください」
そうして私は会議室を後にした。
向かうは雑貨屋に食材屋。宿のご主人にも言っておかないと。やることはまだまだあるのだ。
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