第4話
調査の筆頭を押し付けられて数日後。
現在、協会の会議室を借りて事前に声を掛けた人達と顔合わせしてします。
「えー・・・・そんなわけで今回の調査班の筆頭となりましたので、よろしくお願いします」
諦めの境地です。
「そちらから順に自己紹介をお願いします」
会議室には大きなテーブルがあり、それぞれの前にはお茶が入ったカップが置いてある。私が進行役ということもあり、右手側手前からぐるっと回ってもらうことにする。
「協会から指名を頂きました、『
金髪に青い目の男性が立ち上がって一同を見渡しながら挨拶をする。
『青葉』とはいわゆる異名や称号だ。
彼の場合人目を引く
「次は私ね。称号はないけれど、レイシーと言うの。彼と同じく協会からの指名よ。よろしくね」
称号は無くても知る人ぞ知る有名人だ。怪物を研究し、新種が出れば真っ先に彼女に意見を求める、と言う人も多いであろう彼女。
称号は通常、色と功績によってつけられる。それに新種を発見するのではなく、見つかってから出向くため功績と呼べるものはない。
しかし、人は彼女に敬意を持って
協会公認ではなくても確かな実力者だ。
「次は俺たちか?『
言えば分かりやすいかね。俺が兄のディルでこっちは弟のディガーだ。よろしくな」
「・・・・・・」
探求者としては変わり種のディディ兄弟だ。猿の兄は短剣を使い、木や岩の上などに身軽に登り奇襲や斥候をするとか。牛の弟は持ち前の巨躯を活かし大斧を振り回すらしい。数少ない武闘派である。弟は過去の調査で負傷し口がきけないそうだ。
どちらも赤毛を短く刈り上げている。
「『
言葉少なに語るのは痩身に上背のある黒髪の男。私が来たときに丁度受付にいたので、その日中に声を掛けていた。彼は毒物の専門家だ。毒のある怪物にも毒への対処法にも詳しい。
「ちわー!『
ヘラヘラとした金髪の青年で、正直頭は弱そう。しかし、鉱石についての知識はずば抜けているという。うるさいけども。
「私は
黒髪を後ろに撫でつけた壮年の男が
探求者はあくまでも探求・解明が専門だ。それ以外は専門家に任せればいい、ということで狩人の連盟にも話はつけてある。
「今いない人もいますが、当面はこのメンバーで調査を行います。すでに異常が報告されているエリアを片っ端から調べていくつもりなので、実際にはバラけることになりますが連絡は密にお願いします」
周りを見渡せばなんとも頼もしい面々だ。私、いらなくないか?
「改めまして。
一応称号はあるけどね。
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