第2話
「だからぁ!沼のエリアにでかい火龍種がいたんだって!
「沼に火龍がなんの用なんです。流石にそこらへんの検証が済まないと注意喚起も探索や討伐の依頼も出せないんですよ」
「おーい、森の入り口に死黒キノコの子株があったぞ。採取してあるんだけど、ここに出してもいいかい?」
「いやいやいやいや!特殊保管機持ってきますから、お待ちください!!みんな死んじゃいますからぁっっっ!」
「調査報告デス。一つ目狼の群が荒野から砂漠エリアへ移動していました。何匹かはぐれたのを狩ったので、確認をお願いしますデス」
「知見倉庫の方へお願いします。すぐに担当者を呼びますので!」
「にぎわってるねぇ」
「あ、おかえりなさい」
探索者の協会は受付で必ず用件を伝えるようになっている。受付担当者が聞いた用件に対して必要な場所や器具、人員などを手配するのだ。
発見だけの報告ならば、その脅威度と信憑性から再検討や再確認を。
特殊なものを採取したならば、それに適した保管用の容器を。
探索依頼から帰ってきた者には報告とともに立会の上で解剖や検査(今回ならば足裏や毛並みからどこに生息していたか、病やなんらかの外的要因の有無など)が行われる。
日々あらゆることが発見され、更新される。それゆえに探索者が押し寄せないように、かつ公平性を持って調査できるように配慮されているのだ。
「爬虫人との交渉及び周辺調査に行ってきました。至急の案件もあるため、口頭報告してもよろしいですか?」
「
相談室は少人数による面談や報告に使われる部屋だ。
「第一ね。報告書作りながら待ってるからゆっくりでもいいって伝えといて」
「かしこまりました。御配慮ありがとうございます」
・・・・・・正直、自分のためです!
なんてことは言わず、まっすぐに第一相談室へ向かい紙と鉛筆を出して取り掛かった。
コンコンコン。
一刻後、報告書が一段落する頃ドアがノックされた。
「お待たせした。報告を聞いてもよろしいか?」
「大丈夫です。報告書ももう少しで出来るので今日中に提出します」
「助かります」
やってきたのは他種族への外交を担う部門の部門長だった。
さりげなく大物だ。
「まだきちんと確認出来たわけではありませんが、魔力溜まりが出来ている可能性があります」
言葉にすればこれだけだが、異常事態だ。
「そうでしたか。いえ、それならば納得できます」
自然災害も同然な事態を報告したら納得されてしまった。
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