小難しそうでいて柔らかくて牧歌的なSF

SFのすこしふしぎの方みたいなタイプのやわらかい文体と絵本のような展開のお話で、程よい壮大さやエッセンスほどの切なさを感じつつも、終始ほのぼのとした良いSFです。最初は文体が統一されてないのが若干しっくり来なかったんですが、スルスルと頭に入ってくるSF的な要素や、コミカルで楽しいクルミとルルルのやり取りや個性豊かな他の登場人物が楽しくてどうでも良くなりました。多分有名な哲学者とかを捩ったキャラの名前などの言葉遊びにセンスも感じます。プンラトさんと博士の程よく想像させられるラブの気配が好き。

蝉の店行ってみてえ。今気づいたけどせみのみせ、コレも回文ですね。