考察とパーティー

「ふぅ~今回は多かったな」


俺はそう言いながら、今回の襲撃で得た大量のドロップアイテムを確認する。


えっと……ゴブリンアーマーナイトからドロップした片手剣に大盾、両手剣、防具。


ゴブリンアークメイジの杖にローブ、ゴブリンスナイパーの弓か。


共通で魔石(中)がたっぷりと。


そして、ゴブリンアーマーナイト達が殺していたゴブリンとゴブリンナイト達のドロップアイテムの棍棒etc……


まあまあな量がある。


この量は予想外だったけど、良い結果になった。


【吸魂】も俺が倒したアーマーナイト達だけじゃなくて普通のゴブリン達もあったしな。


それにしても……


「一階でこれか……二階以降のモンスターが楽しみだ」


俺は思わずニヤけてしまう。


俺は【気配察知】を使い警戒しながら、スキップ気味に階段を目指す。


「ゴブッ!」

「ゴブァッ!?」

「ゴブゥッ!?」

「ゴブァッ!?」

「ゴブァッ!?」

「ゴブァッ!?」


目指してる途中、三体のゴブリンが俺に向かって来たが、俺はすれ違いざまに鎌を振るって首を跳ねていく。


そして、そのまま駆け抜けて、階段を目指して走る。


お?


あれは……


俺の視線の少し先に階段らしき物が見えた。


俺はそれを見て、さらにスピードを上げる。


やっとか……


階段に近づくと、下の階層……2階層へと続いていく通路が見えてきた。


2階層か。


それを確認した俺は、両手鎌を構え直して階段を降りていく。


さて。


1階のあの状況を見ると『ゴブリンキングの巣』の時と比べるとかなり違う。


ゴブリンは数が多い代わりに、連携がしっかり取れていなかった。


ゴブリンナイト達は連携っぽいものは取っていたが、動きに無駄が多く、隙も多かった。


だが、今回のゴブリンアーマーナイト達はしっかりと連携を取って襲ってきた。


ゴブリンアーマーナイト達は俺の姿を見た瞬間、横一列になってシールドバッシュをしてきて逃げ道を無くしてからの一斉攻撃。


今回は俺のステータス差で強引に突破したが、同じようなステータスだったら危なかったかもしれない。


まあ、それでもなんとかなったとは思うけどな。


それにしても……進化したばっかりだったからレベルがそこまで上がってなかったから良かったものの、もう少し時間が経ってたらレベルも上がってただろうしな……


俺はそう思いながらも、次の階層へと向かうために階段を降りる。


まあ、油断はせずにな。


そして、2階層に降りてきたが特に変わった様子はない。


俺は【気配感知】を使って周りを探るが、近くに敵はいないようだ。


とりあえず、進んでみるか。


「罠もないのか?」


俺はそう呟きながら、どんどん進んでいく。


1階層では、ゴブリンナイト達が進化、レベルアップをするために、ゴブリンやゴブリンナイトなどを大部屋で殺しまくっていた。


2階層ではどうなってるか分からないが、1階層よりはレベルアップしたゴブリンアーマーナイト達がいる可能性は高いだろう。


俺はそんなことを考えながら、先に進む。


「ん? これは……」


しばらく進むと、前方に何かが落ちているのが見えた。


俺は落ちている物を確認するためにゆっくりと近づいて行く。


なんだこれ? そこには、大きな剣が地面に突き刺さっており、その剣には緑色の液体がべっとりと付いている。


「なんでこんなところに剣が? 」


俺は不思議に思いつつも、剣に近づき、剣を手に取って確認する。


見た目的には、ゴブリンが持っていたような片手剣に似ている。


大きさもゴブリンナイトの使っていた片手剣と同じぐらいの大きさだ。


「ゴブリンナイトの武器なのか……なんで……」


……ああ!この階層でも1階層みたいにゴブリン進化種達が進化、レベルアップのためにゴブリンを殺していたのか。


じゃあこの片手剣はその時のものか?


……そういえばこのダンジョンはいつから出来ていたんだ?


あの『???のダンジョン』が出てきた時からか?


いや、それよりも前に出来た可能性も十分にあるな。


『ゴブリンキングの巣』にいたはずのゴブリンクイーンを見ることは結局無かった。


だが、ここのダンジョン名は『ゴブリンエンプレスの巣』俺の予想が正しかったら、このゴブリンエンプレスはゴブリンクイーンの進化種だろう。


そうなると、このダンジョンは『ゴブリンキングの巣』を壊してからできたものってことだよな?


本当にいつからあるんだろうな?


まあ、今考えても仕方がない。


俺は剣に付いたゴブリンの血を【クリーン】で綺麗にしてからアイテムボックスにしまう。


そして、また歩みを進めて行く。


それからしばらく歩くと、【気配感知】で前方から何体かのゴブリン達が向かってくるのが分かった。


俺はすぐに戦闘態勢に入る。


ゴブリン達はこちらに向かって来る途中で俺の存在に気付き、奇声を上げ始める。


「ゴブァー!ゴブァー!」


「ゴブブブブ」


「ゴブゥッ!ゴブゥッ!ゴブァー!ゴブッ!ゴブッ!」


「ゴブォ!ゴブォ!ゴブゥッ!」


「ゴブァッ!」


ゴブリン達は、俺を見て焦ったように叫び出す。


どうやら、俺がここにいることは予想外だったらしい。


装備からして、ゴブリンジェネラル達とは違い、ゴブリンアーマーナイト、ゴブリンスナイパー、ゴブリンアークマジシャン、後は……なんだあいつら?


拳にメリケンサックを装備してるやつとナイフを両手に逆手で持っている奴がいるな。


メリケンサックを装備してるのはゴブリンファイターの進化種だろうけど、ナイフを逆手に装備してるのはなにかわからないな。


「【鑑定】」


------

名前:なし

性別:♂

種族:ゴブリングラップラーLv.12


体力:2340/2340 魔力:350/350

攻撃:5550

防御:2240

俊敏:5210

器用:840

知力:695

幸運:26


所持SP12

魔法スキル:なし

取得スキル:【拳術Lv.6】【柔術Lv.7】

固有スキル:なし


称号:なし

------

------

名前:なし

性別:♂

種族:ゴブリンハンターLv.10


体力:2400/2400 魔力:945/945

攻撃:3465

防御:970

俊敏:2590

器用:4160

知力:1560

幸運:50


所持SP11

魔法スキル:【風魔法Lv.1】

取得スキル:【弓術Lv.3】【短剣術Lv.5】【隠密Lv.3】【罠設置Lv.4】

固有スキル:なし


称号:なし

------


こんな感じだな。


他のゴブリンアーマーナイト達もレベルとステータスがかなり高い個体だった。


というかゴブリングラップラーは真の脳筋って感じがすごいな。


スキルが少ないけど攻撃と俊敏のステータスが高いから、純粋な近接で殴り合いを仕掛けてくるな。


ゴブリンハンターに関しては、【弓術】のスキルを持っているからゴブリンアーチャーの進化種だな。


ただ、ゴブリンスナイパーとは違って【短剣術】を持っていたり、【隠密】、【罠設置】のスキルを持っているから搦め手が得意なんだろう。


なんかパーティーみたいに編成されてるし、地味にレベルが上がってるから連携も1階層の奴らよりかは上そうだ。


あと、回復役がいないのが気になるが……まあ、それは俺が楽だから良いんだけどさ。

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