自衛隊の人達とのお話
衝撃的?な内容が発覚してから数分後。
【回復魔法】を使ったとはいえ、気絶していた人達はすぐに目覚めた。
さすがにこれには驚いた。
先に起きた自衛隊の人の話では、この人達は自衛隊の中でもかなり優秀らしいし回復したか確認したときもステータスはかなり高かった。
だとしてもこの人達は起きていた自衛隊の人よりはステータスが低かったからもう少し起きるのに時間がかかる物だと思ってたんだけどな……
「……ん?ここは……って!?」
「うぅ……あれ?なんで俺達こんな所で寝て……っ!?」
「ぐっ!?」
「おい!?大丈夫か!?」
俺がそんなことを考えていると自衛隊の人達が起き上がり辺りを見回している。
そして自分の状態を確認すると驚いている。
他の人も同様に混乱しているようだ。
そりゃ、目が覚めたら知らない場所でしかも自分達以外の人間どころかモンスター……あっちからしたら化け物が居るんだから驚くよな……
今起きた自衛隊の人達はユキとファムを見て武器である銃?を探しているのか辺りを見回したり、視線はユキとファムに固定しながら手だけ動かして銃?を探っている。
だけどそんな武器なんてなく、今ももしかしたら瓦礫の山に埋もれているのかもしれない。
しかし……これはどうしたものか……
俺が悩んでいると目の前に立っている最初に起きた自衛隊の人が起き上がって来た部下の人達に声を掛ける。
「お前等、大丈夫か?」
「た、隊長!はい!大丈夫です!」
「そうか、それは良かった。それじゃあ全員無事か確認しろ」
「で、ですがそこに化け物が……」
自衛隊の人達がやり取りをしてる間、俺達はその様子を黙って見ていた。
先に起きた人には俺の先に事情を説明したから取り乱したりなんてもうしていないが今起きた人達には一切事情なんかを説明していない。
だからか俺のとユキとファムの事を警戒するように見ていて、後の人達は俺の事を気にしながらも自衛隊の人との会話に耳を傾けている。
「ああ、分かっている。だがこのモンスターは大丈夫だ」
「た、隊長、なにを言って……それにモンスターって……」
「いいからまずはお前達の状態を報告してくれ」
「わ、分かりました」
そして自衛隊の人は隊員達に状況の確認を始める。
そして俺の事については全く触れなかった。
俺が話した以外の人達は大丈夫と言われていても俺を警戒しているみたいだ。
まあ、無理もないけどな。
俺はそんな事を考えながら自衛隊の人達の様子を眺めていた。
暫くして話が終わったようで自衛隊の人達は俺の方を見る。
そして俺とユキ、ファムの方に近づいてきた。
「……君があの化け物……モンスターの主人なのか……?」
「はい、そうですけど……」
「そうか……」
自衛隊の人は俺の言葉を聞いて考えるように俯く。
「まずは我々を助けていただき感謝する。我々は瓦礫に埋もれていたはずなのにこうしていられているということは君に助けられたということだろう?」
「ええ。まあそうですね」
特に否定する理由もないから肯定しておく。
「……だが、俺には正直お前達が安全な存在なのか分からない……だが、お前があのモンスターと呼んでいる存在を従えている事は事実なんだろ?」
俺にそう問いかけてくる自衛隊の人の表情は真剣そのものだ。
恐らく俺が事情を話した人の話を聞いてそれがが嘘じゃないかどうか見極めようとしているのだろう。
「まあ……そうですね……だけど1つ訂正させてください」
「?なにをだ?」
「俺はユキとファム、この子達を従えているわけじゃない。この子達は仲間で家族だ。そこは間違えないでください」
俺がそういうと俺が話している人と後ろで話に耳を傾けていた人達は目を見開く。
大方俺がユキとファムの事を仲間で家族だという言葉に反応したのだろうけど……
「……ふっ、分かった。確かに今の言い方だとそうかもしれないな」
「信じてくれるんですか?」
「ああ、少なくとも俺にはお前が悪い奴に見えない。それに隊長が信じると言っていた。あの人の人を見る目は確かだ。それなら俺も信用する」
「そうですか……」
良かった……信じて貰えた……それにあの人隊長だったのか……
じゃあこの人は代表して聞きに来ている感じだから副隊長とかかな?
「……それでだ。俺達はこれからどうすれば良い?」
「え?」
「俺達の状況は隊長から聞いた。それでお前がこうしてここに留まってくれているのもわかった。それで俺達は何をすれば良い?」
そう聞かれてもな……
「えっと……その隊長さんから俺が話した今の現状は聞いていますよね」
「ああ、聞いている。だからその事情を詳しく伝えるためになにをすればいい」
「……それは……」
俺は言葉に詰まる。
正直に言えばこの人達には協力してもらって一刻も早く事情を話してもらって詳しい事情を広めて対策をとってほしい。
でも……具体的な案は……あ。
「……少し待っていてくれますか?」
「?ああ、別に構わないが……」
「なにか思いついたのか?」
「ええ、まあ。そこの人達」
「「「ッ!?」」」
俺が声をかけると話を聞いているだけだった自衛隊の人達がビクッと反応をする。
俺が話しかけたのは俺を警戒して武器を探していた人達だ。
まあ、さっきも言った通り武器なんてないんだけどさ。
「あなた達にも手伝ってもらいますからね」
俺がそう言うと3人とも驚いていた。
ふっふっふっ……しっかり協力して貰うぞ……
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