お別れ
「うっし!空!今回もありがとな!それにエスカリアさんもアーニャさんもアイカさんもいきなり押しかけてすんませんでした!」
「お邪魔しました~また女子会やろうね~」
「ありがとうございました!楽しかったです!」
「………ありがと………」
話を聞かれてた疑惑はあったが特に追求はなく、なんとか陽介達が帰るまで誤魔化すことができた。
………いや、本当に追求されなくて良かった………
「私も楽しかったです!またこんなことを私もしたいです!」
「私もまたのご来訪お待ちしております」
「お待ちしております」
エスカリアさん、アーニャさん、アイカさんもそれぞれが話し出す。
………そっかーまたしたいか~
「おう。………陽介、次からはちゃんとメッセージが送信されてるか確認しろよ………」
俺は少しだけ陽介に向かって意図的に目をジト目にして責めるような口調で言う。
別に怒ってはいないけど一応言っておかないとな。
「そうだよ~陽介~私も一緒に怒られちゃうかもしれないんだから気をつけてよね~」
「わ、わかってるって………今回はたまたまだって………」
俺と早希の言葉に陽介は冷や汗を流しながら苦笑いを浮かべている。
………まあ、わざとじゃないなら良いか。
「………ふぅ、まあ、今回も楽しかったよ。………まあ、想定外の事もあったけどな………」
そう言って俺は雪奈ちゃんと玲奈ちゃんの方に視線を向ける。
「えへへ………すいません………」
「………ごめんなさい………」
2人は申し訳なさそうな表情をして俺に謝ってくる。
「ははは、大丈夫だよ。気にしないで悪いのはなにも言ってなかったこいつらだから」
俺は陽介と早希の頭を掴んで引き寄せる。
「ちょ!?痛ぇって!」
「いだいいだいいだい!」
「まあ、今更こんなことじゃ怒りはしないけど罰は与えてなかったって思って」
「「ひ、ひどい……」」
俺が手を離すと2人は頭を抑えてしゃがみ込む。
そんな姿を見て雪奈ちゃんと玲奈ちゃんの二人はクスリとした笑みをこぼしていた。
「はぁ………さて、2人も気を付けて帰れよ?」
「はい。ありがとうございました!」
「………ん………」
2人は俺に向かってペコリと礼をする。
おっと………
「あ、忘れる所だった。連絡先交換しよう?いいかな?」
「はい!もちろんです!」
「………こっちからお願いしたい………」
2人とも嬉しそうな笑顔でスマホを取り出す。
俺もスマホを取り出して2人と連絡先の登録をした。
「うっし。それじゃあ、気を付けてな今度から遊びに来るときは連絡してくれよな」
「はい!本当にありがとうございました!」
「………ありがと………」
2人が帰って行く姿を見送る。
2人はちょっと離れた所で立ち止まると振り返ってこちらに向かって大きく手を振る。
俺も小さくだが手を振って返す。
エスカリアさんも大きく手を振り返している。
すると雪奈ちゃんと玲奈ちゃんは再び歩き出していった。
「………さて………お前らもそろそろ帰れよ。いつまで蹲ってるんだよ」
俺はまだ頭を摩っている陽介と早希に声をかける。
「いて~………わかったよ………じゃあな空」
「う〜酷い~もう帰るよ~バイバイ空」
「お~う。………陽介、今度はちゃんとメッセージが送られてるのは確認しろよ」
俺がそう言うと陽介はおう!という返事と共に片手を上げて帰っていった。
その陽介の後ろを早希はついていく。
それを見送った俺とエスカリアさん、アーニャさん、アイカさんの4人は居間へと戻る。
「ふぅ………なんか疲れたな………」
俺はソファーに腰を下ろしながら呟く。
「おつかれさまです。お茶入れますね」
「ありがとうございます」
アイカさんが台所に行ってお茶を入れてくれるようだ。
………うん、本当に今日は色々あったな………
陽介と早希だけだったのならまだしも、まさか雪奈ちゃんと玲奈ちゃんまで来るとは思わなかった。
まあ、楽しかったから良かったんだけどな。
「ソラさん!今日は本当にありがとうございました!」
エスカリアさんが俺の隣に座ってお礼を言ってくる。
アイカさんがお茶を持ってきてくれたので、それを受け取って一口飲む。
「いや、むしろいきなり俺の友人が押し掛けてきてしまって申し訳ない」
「大丈夫ですわ!それに早希さんに今日も会えましたし雪奈さんや玲奈さんにも久しぶりに会えましたもの!」
「そう言ってもらえるとありがたいな」
俺は少し苦笑いしながら答える。
「そうですね。私もとても楽しかったですよ」
「はい。私も人と人との繋がりという素晴らしい物を見させていただきましたし」
俺の言葉に続いてアーニャさんとアイカさんも微笑みながら答えてくる。
………2人に迷惑をかけちゃったし、また何か機会があれば誘ってみるか。
「そう言ってくれるなら嬉しいよ。………まあ、次からは事前に連絡してくれると助かるけどな」
俺は苦笑いを浮かべて2人を見る。
「ふふ、そうですね。次はもっとちゃんとした歓迎をしたいですからね」
「はい。次回はしっかりと準備をしておきましょう」
「はは、そうだな」
俺は2人の言葉に笑って返した。
やっぱり俺はあんな日常が好きだ。
この生活を壊したくない。
「さてと………」
俺はソファーから立ち上がる。
「ん?どうしたのですか?」
エスカリアさんが不思議そうな顔をしながら聞いてくる。
どうしたって………決まってるじゃないですか。
「いや、ちょっとモンスターを狩りに」
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