お風呂とハプニング?
「おーい風呂溜まったぞ~」
「俺らも出てきたし入って良いぞ~」
「は~い」
「はい!」
「……わかった……」
俺達がシャワーでさっさと風呂から出てくる。
そしてしばらくしてエスカリアさん達は入浴の準備を始める。
2組に別れて入るらしくファンタジー組と現代組の2組に別れるらしい。
「じゃあ私達から先に入るね!」
そう言って雪奈ちゃん達は俺達の前から姿を消した。
ちなみに待ってる間にまたゲーム大会が始まっていたりする。
そしてしばらくすると風呂場から今度は雪奈さん達が出てきた。
「じゃあ次は私たちが入る番ですね。アーニャ、アイカさん、行きましょう」
「そうですね。では行きましょうか」
「了解しました」
そう言ってアーニャさんとアイカさんは居間から出て行く。
「………さっきまで賑やかだったのに………急に静かになったな………」
「そうだな………」
「………空さん、立川先輩………それって私達が物足りないってことですか?」
「ほ~ん。それは聞き捨てならないね~」
「違うわ!そんなこと言ってないだろ!?」
俺は慌てて否定する。
確かに静かになったのは寂しいけど………
「冗談です♪」
「ちょっとしたイタズラだよ~そんなに焦らなくて大丈夫だって」
「お前らは本当に………まあ、別にいいんだけどさ」
「………空、照れてる?」
「………照れてはいない」
「そうか?顔赤いぜ?」
「赤くねえよ」
はぁ………まったく………こいつは………
「それより早くゲームしようぜ」
「そうだな。次も負けないからな?」
「おう!望むところだぜ!」
「私も負けませんよ!」
「じゃあ私は見てるね~」
「………頑張る………」
………玲奈ちゃんは頑張らなくてもいいかな?
というか頑張らなくても俺達を蹴散らせるから大丈夫だよ?
ね?だからそんな気合いいれないで………あっ………
《アイカside》
「ふぅ………気持ちよかったです………」
「アイカさん、お風呂とは良いものでしょう?」
「はい。とても素晴らしいものですね」
「そうでしょうそうでしょう。この世界に来て良かったと思う瞬間の一つですよ」
そう言うとエスカリアさんはは嬉しそうに微笑む。
こうやって人の体を得てから私が知れた事はたくさんある。
1つは食事の素晴らしさだ。
元の体では食べることなんてできずただただ境界の管理、そしてその維持に力を注ぐだけだった。
それが今はこうして美味しく食事をすることができるようになったし、誰かと一緒に楽しく会話をしながら過ごすこともできる。
それに………人の暖かさを知ることができた………
「それに!とても楽しいです!私にお友達が出来るとは思ってませんでした!それに………」
エスカリアさんは興奮気味に話して最後になるにつれて声がだんだん小さくなっている。
そうでしたね………この方もあちらの世界の王族………自由などなかったのだろう……
「お嬢様………」
「ふぇっ!?ど、どうしたの!?アーニャ!?」
「いえ……なんでもありませんよ」
そう言いながら私はそっと手を伸ばして彼女の頭を撫でる。
彼女は驚いた顔をしたがすぐに笑顔になり私の手にすり寄ってくる。
………なんで私はこんなことを?
なんでしょうかこの気持ちは………この感情は………
「………アイカさんの手、暖かい………」
「ありがとうございます」
「………お嬢様?」
「えへへ〜」
エスカリアさん?アーニャさんが困っているようですけど………?
よろしいのですか?
「えへへ~」
「………お嬢様?」
「えへへ~」
?様子がおかしいですね?
………顔が赤いですね?
………それに目の焦点があっていないような………?
「お嬢様………失礼します」
アーニャさんがエスカリアさんを見ていく。
「お嬢様………のぼせていますね」
「のぼせる………ですか?」
のぼせるってなんでしょうか?
聞いたことがない言葉ですね。
「はい。細かいことはわかっていないのですが、人は湯船に浸かりすぎるとこのように意識が朦朧としてしまうことがのです。それに、私は見たことはありませんがそのまま倒れてしまうこともあるとか」
「そうなんですか。では早く出なければいけませんね」
「はい」
そう言ってアーニャさんはエスカリアさんの肩を持ち上げるとそのまま脱衣所へと向かっていく。
そして私もそれについて行く。
それからは早かった。
アーニャさんはエスカリアさんの着替えを持ったかと思うと直ぐにエスカリアさんに服を着せていた。
エスカリアさんは私が支えていたとはいえエスカリアさんはぐったりとしていたはずなのに………凄い早さですね………
そしてひとまず着替えるために支えていたエスカリアさんをゆっくりと座らせる。
「さあ、アイカさん。素早く着替えてお嬢様をベッドまで運びましょう」
「わかりました」
では直ぐに服を………あれ?
これは………服がない?
「アーニャさん」
「はい?」
「すみません。私の服を知りませんか?」
そう聞くと何故か少しだけ呆れた表情をする。
アーニャさん。
なぜでしょうか?
「………どの服を着ようとしていたのですか?」
「?今日着ていたメイド服ですが?」
「………はぁ………」
なぜかため息をつくアーニャさん。
なぜでしょうか?
私は何かおかしな事を言ったのだろうか?
「あの………?」
「まさか着替えを持ってきていなかったとは………」
………?
「………まさか昨日も?」
「?そうですが?この体でも簡単な魔法が使えるので【クリーン】を使いましたが?」
どこかに不都合があっただろうか?
「………あなたのメイド服は今、洗濯機の中です」
「洗濯機ですか?」
それは一体?
「簡単に言えば服を洗っている、それだけですよ」
「なるほど。それでしたら問題ありませんね」
「問題ないわけがないでしょう。どうするんですか着替えは?」
そう言われても困ります。
今服は洗われていますし。
「………服は複数渡しましたよね………」
確かに渡されていました。
「ですがその服は破れたりした際の予備ではないのですか?」
「………あの服は予備などではなくあれらと今日の服を替えるためのものですが?」
なるほど………つまり今日は部屋にしまってある服を着ればよろしいのですね。
「なるほど………そう言うことなら少し失礼します。服を部屋に取りに行って参ります」
「え?それはどういう」
「失礼します」
「ちょっ!裸でそんな!ちょっと待ちなさい!」
「………アーニャ~」
「お嬢様!?」
後ろから声が聞こえてますが気にせず私はその場を離れ私に宛がわれた部屋に向かう。
おや?
「あ、アイカさん、お風呂はとうだっ………た………」
目の前にソラさんが現れた。
「ア、アイカさん!?なんで!?服は!?」
……?
「?私はこれから着替えを取りに行くところでしたが?」
「え?あ、そ、そう?か、風邪をひかないようにね」
ソラさんはそう言うと足早に立ち去って行った。
なんだったのでしょうか?
まあ、良いです。
服を取りに行きましょう。
《空side》
「うっそだろ………」
トイレに行ったらとんでもない場面に遭遇してしまった。
アイカが素っ裸で廊下を………
………え?なにあれ? え?え?え?え?え? え?え?え?え?え?え?え?
………いやいやまて落ち着け落ち着けクールダウン、クールダウン………
よし落ち着いた。
俺は見てない!
桃色の蕾とかふっくらした大地や桃なんて見ていないぞぉおお!!
………うん、よし。
とりあえず戻ろう。
そして忘れよう。
それがいい。
あれは何かしらの夢だ夢に違いない。
あんな光景はあり得ないんだから!
………綺麗だったな………
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