帰宅と安否確認と???
「アーニャさん!ユキ!ファム!皆無事か!?」
俺は急いで家に戻った。
だが、帰ってくる途中に【気配感知】を使ったのだがモンスターの気配がこの辺りには感じられなかった。
それでもクリアドラコのような前例があるから全速力で家に向かって玄関で靴を脱ぐのももどかしくてその辺に投げ捨てて居間に向かう。
するとそこにはアーニャさんとユキ、ファムだけでなくエスカリアさんもそこにはいた。
「ソラ様!?良かった………無事だったんですね………」
「あ、うん………エスカリアさんも帰ってきてたんだ………」
「はい。モンスター達が急に東京?という所に現れたとのことで学校は早く終わりました」
「そっか………この辺りにモンスターは?」
「モンスターがこの辺りに現れる事はありませんでした………」
………この辺りにモンスターは出なかった?
それならなんでこの辺りでもゴブリンがいたんだ?
………ダメだな全くわからない。
「………ソラ様………いったいなにが起こっているのでしょうか………」
「………ごめん………俺にも全然なにが起こっているのかわからないよ……」
俺がそう答えるとアーニャさんが驚いた表情をした。
「ソラ様もわかっていらっしゃらないのですか?」
「………うん。俺も東京で調査してたら突然塔が出てきてモンスターの大群が塔から出てきたからなにがなんだかわかってないんだよ………」
俺はそう言いながら自分の頭をガシガシ掻く。
本当になにが起こってんだよ。
管理者さんも後で説明するって言ってたけど結局あれから連絡ないし。
「とりあえずさ、一旦落ち着こうか?あまり焦りすぎても仕方がないしさ」
「………はい。そうですね」
「わかりました」
「ワフゥ!」
「ピィ!」
俺の言葉を聞いてアーニャさんは少しだけ落ち着いたようだ。
他のみんなも返事をしてくれた。
さて………これからどうするか………
とりあえずテレビのリモコンを取って電源を入れる。
「……うわぁ……マジか……」
テレビをつけるとどのチャンネルでもニュースをやっていた。
内容はどれも同じで『突如現れた塔』について。
そして塔から出現したモンスターによって被害が出ていること、塔からモンスターが出てきたことで死傷者多数、行方不明者が多数いること。
そして謎の光が塔から発せられたかと思うとモンスターが見えない壁に遮られているということ。
そして………黒いローブを着た大型の鎌を持った男がモンスター達と戦っていたこと………
「………見られてたのか………?」
俺はそのニュースを見て思わず呟く。
俺がモンスター達を倒していたところをあの光が消えたのと同時に転移してきた人に見られたのかもしれない。
………ていうか家族を助けてたからばれるのも時間の問題だったのかな?
………まあいいか。
別に悪いことをしたわけじゃないし、それにフードを被ってたから顔も見られてないだろうしな。
だから俺はこの人物がなにかしらの事情を知っていると見てその人物を探しているというニュースなんて一切見ていないぞ!
「………ソラさん………」
「………なんでしょうかエスカリアさん?」
エスカリアさんに呼ばれて俺はそちらに視線を向ける。
そしてエスカリアさんの方に顔を向けて俺は固まってしまった。
なぜならエスカリアさんの目が据わりまくっていたからだ。
「えっと………エスカリアさん………?」
「………なんでしょうか?」
「もしかして………怒ってたりしますか?」
「………えぇそうですね………それはもう怒っているとも言えますね」
「そ、そうなんですね………」
………とても………怖いです。
俺がそんなことを考えているとアーニャさんがため息をつく。
「はぁ〜………お嬢様、落ち着いてください………」
「だけどアーニャ………」
「気持ちはわかるのですが………」
「………ごめんなさい。取り乱しましたわ」
アーニャさんのおかげでなんとかエスカリアさんの怒りが収まったみたいだ。
………良かった良かった………のか?
「それで………ソラ様はこれからどうするのですか?」
「………とりあえず管理者さんに連絡を取りたいんだけど………繋がらないんだよね………」
あれから管理者さんからの連絡を待っているが全く音沙汰がない。
「管理者さん………ですか?」
あれ?
「あれ?管理者さんについて説明した事なかったっけ?」
「いえ、聞いておりませんが………」
「………あれ?」
「………ソラ様?」
「………ソラさん?」
「………すいません説明し忘れてました………」
俺は管理者さんの説明を忘れていたことを思い出して頭を下げる。
「いや、いいんですよ。私達はこの世界の住人ではないので知らない事が多いのでしょう。だから気にしないで下さい」
「いや、その、管理者さんはこっちの世界の事と言うかある意味そちらの世界の人と言いますか………」
「どういうことなんですかね?」
…………どうしよう。
正直に話してもいいものなのか? 俺には判断できない。
だがこのまま黙っていても仕方がない。
ここは素直に話すことにしてみようか。
「えっと実は………」
それから俺は詳しくは知らないがという前置きをしてから、こっちの世界とエスカリアさん達の世界の境界を管理をしている人?がいるという事を簡単にだが説明する。
その人?はこっちの世界にダンジョン、『ゴブリンキングの巣』ができた時もダンジョンから出てきていたゴブリンも出来る限りの倒していてくれたらしいし俺の【鑑定】と【錬金】と【鍛冶】のスキルを取得させてくれたのもその人だというのも説明した。
「そうだったのですか………」
「うん。その人でいいのかな?………まあ、その人がいなかったら俺は今頃ここまで来れずにどこかで死んでたかもしれないし、感謝しているんだよ」
実際、あの人のおかげで俺はこうやって生きていけるようになっているんだから。
「これが管理者さんだよ」
「とてもすごい人なんですね」
「うん。凄いんだよ」
「………それは照れてしまいますね………」
「………は?」
俺達の後ろから声が聞こえた。
俺達が驚いて振り返るとそこには…… …産まれたままの姿の女性が………はい?
最初は警戒して【アイテムボックス】から両手鎌を構えようとしたが青色の美しい髪に黄金比と言っていい程美しい身体の造形に見惚れてしまい、手が止まってしまった。
せっかくだこの美しい身体を目に焼き付けておこう。
………ふむふむ………
「………はっ!だ、ダメですよソラさん!見ちゃダメです!」
「失礼します!」
しばらく無言の時間が過ぎたが、我に帰ったアーニャさんによって俺は目を塞がれてしまった。
しかも力をかなり入れているのか俺の目がとんでもない力で押し潰されている。
痛くはないが目が見えない。
そしてアーニャさん?胸が当たっておりますよ?
………まあ、離してって頼んでも離してもらえる気はしないからこのままでいいか。
「………あなたは何者だ………」
「………ソラ様そのまま続けるんですね………」
「いや、だって手を離してって言っても離してくれないでしょ?」
「………まあ、そうですね」
俺は諦めてこの状態のまま話をする事にした。
そして俺とアーニャさんのやり取りなんて全く見ていないと言わんばかりに女性は俺の質問に答えてくれる。
「………私は………そうですね………『管理者さん』とでも呼んでいただければ幸いですね」
………ん~~~?
「えっと………誰が?」
「私がです」
「………本当に?」
「はい」
「………嘘じゃない?」
「ええ」
「………本当の本当?」
「ええ」
「………はぁぁぁああああ!?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます