第2話 再会

 優と別れてから半月近くは,自分でも驚くほど食欲がなくなり体重も十kg近く減った。もともと痩身ではあったが,病的にやつれた姿に職場でも由香子が婚約者と別れたと,一部の連中の間で話が広まっていた。


 由香子の耳にもその話は聞こえてきたが,聞こえない振りをしてできるだけ無視をして仕事に集中した。仕事をしている時はなにも感じないのだが,夜になると寂しくてどうしようもなかった。


 ネットやテレビで優が好きだった芸能人や商品が目に入ると,反射的に優に教えてあげようと思いスマホを手にしたが,そのままスマホを握り締めて溢れる涙を必死に堪えた。


 そして,何度も優の夢を見ては,寂しさで胸が張り裂けそうになって一人で号泣した。


 夢の中では,何度も優が新しい彼女とうまくいかず,由香子に土下座をして寄りを戻したいと頼み込んでいた。


 由香子は優に,いますぐ結婚するなら寄りを戻してもよいと言ったり,別れた相手にひどい目を合わせたら許してあげるなど,思いつく限りのわがままを言って優を困らせた。


 しかし目が覚めると,由香子は一人ということに気付き,怖いくらいの虚しさと寂しさで押し潰された。



『もう……好きじゃない……』



 この言葉が何度も頭に浮かんでは消え,由香子の心を締め付け苦しめた。嘘を付かれ裏切られたはずなのに,いつまでも自分ばかりが優のことを考えているのが許せなかった。あの日からずっと優のことを忘れようとしているのに,毎日毎日優のことで頭がいっぱいだった。


 この先,自分がどうなるのか想像できなかったが,少しでも早く優のことを忘れたいと願った。 少しでも昔の自分を変えようと思って,スーツもちょっと高級なもので揃え,ビジネスバックも無理をしてボーナス時に購入した。


 仕事中心の毎日を送ることで,すべてを忘れようとした。平日は気がまぎれるので仕事に集中したが,帰宅するのと休日に一人になるのが嫌だった。


 毎日,終電近くまで働き,疲れれば疲れるほど優のことを考えず,思い出さずに済んだ。会社からは何度か働き過ぎだと注意を受けた。そのため,上司に築かれないように早めにタイムカードを切って,サービス残業をするようになった。


 毎日,死にそうなほど仕事で疲れることで,心を安定させようよした。例えどんなに体調が優れなくても,絶対に人に言わないようにもした。


 あれから五年,由香子は仕事中心の生活を送っていた。誰とも付き合うこともなく,呑み会があってもほとんど酒を呑まず,人とかかわること避けた。


 酔って優とのことを思い出すのも,他の男に言い寄られるのも嫌だった。年齢のことや,彼氏がいないことを必要に聞かれ,やたらと口説いてくる男がいると死ねばいいのにと本気で思った。


 あの日以来,優とは一切連絡を取らなかったので,彼が今何をしているのかはわからなかった。ただ,それでも毎晩のように夢の中で優に会っていた。夢の中の優は誰よりも優しく誰よりも大切にしてくれた。


 そんな日々を送っていたある日,偶然街で優が女性と一緒に歩いているのを目撃した。何度か街で優に似た雰囲気の男性を見て驚いたことはあったが,いま目の前を歩いているのは由香子がよく知る優だった。


 見覚えのあるジャケットは五年以上前から着ているし,少し痩せたように見えたが髪型もほとんど変わっていなかった。


 唯一由香子が知らないのが、優と一緒に歩いている女性だった。


 由香子は激しく鳴り続ける胸の高鳴りに我慢ができず,距離をとって優の後をつけた。


 優の変わらない歩き方が昔を思い出させた。陸上に役立つからと,普段からつま先に重心をおいた独特な歩き方をしていた。


 二人の楽しそうに歩く姿を見て,かつて優に言われた「もっと一緒にのんびり寛いだり,ゆっくり映画を観たり,リラックスしたいんだよ……」という言葉が何度も頭の中で繰り返された。それくらい優の笑顔は自然で,自分と一緒にいたときに見た記憶がないほど,気が抜けてリラックスしてるように思えた。



「なんなの……」



 由香子の足は速くなり,追いついてしまうのではないかと思えるほど二人に近づいて行った。


 優の背中を見ながら,楽しかった頃の自分を思い出し,一緒に歩いている女性を見ては怒りとも嫉妬ともいえない複雑な気持ちが胃を鷲掴みするような,ギリギリと締め上げるような不快感を与えた。



「ムカつく……マジでムカつく……」



 前を歩く二人はもう随分と慣れているような,付き合いたてのカップルにはない親密な距離感があった。


 あの背中にもたれかかったこと,ふざけておんぶしてもらったこと,陸上の大会では多くの選手たちがあの背中を見ながら苦しそうにゴールしていたこと,私だけが触れることを許されていたあの背中を隣にいる女が奪ったこと,なんで私だけが不幸を背負わなくてはいけないのか,なんで裏切った男が幸せにしているのか,頭の中でぐちゃぐちゃと嫌な思いが駆け巡り,世の中すべてが由香子を拒絶し不幸を背負わせようとしているように思えた。


 なんで私だけがこんな思いをしなくちゃいけないのか,私を裏切って,私を捨てた男が笑顔を見せてよいはずがない,私から優を奪った女なんてもっとも酷い苦痛とともに地獄に堕ちればいいと思った。



「死ねばいいのに……」



 目の前を歩く二人から感じられる安心しきった空気が,由香子の心を蝕むように腐らせ,腐った肉塊が身体から汚らしくボトボトと抜け落ちていくように思えた。


 息を吸っても空気が肺まで届かないような息苦しさと,深呼吸をしようとしても肺の手前までしか空気が入っていかない苦しさでパニックになりそうだった。



 うっ……………………


 うっ……………………


 うっ……………………


 うっ……………………



 頭の中で何かが,微かな声が聞こえたような気がした。振り向いてみても誰も由香子を見てもおらず,行き交う人々は由香子をまるで障害物を避けるように流れていた。


 立ち止まって困惑していると,人混みのなかで由香子の頭の中に直接,誰がか……というよりも,なにかが語りかけてきたように思えた。


 声になっていない微かな声が誰のものか,どのから聞こえてくるのかわからず辺りを見回した。



 うぁっ……………………


 うぁっ……………………


 うぁっ……………………



 目の前の二人は相変わらず適度な距離を保ちながら,誰が見てもカップルだとわかる距離のまま歩いていた。呼吸ができず一歩も歩けないでいると,目の前が真っ白になり,すぐに由香子との距離が開き二人の背中が小さくなった。


 得体の知れない気持ち悪さを堪えながら,必死に見失わないように歩き始めた。しばらくして二人が交差点で立ち止まると,突然,由香子の頭の中で悲鳴なような,絶叫のような禍々しい声が響き渡った。



 ヴガァァァァァ……ヴァ……ヴガァァァァ……



 あまりに突然のことに驚いて頭を抱え,すぐに両手で耳を塞ぐようにしてしゃがみこんだ。どうしたらよいのかわからず,かといって言葉も出ず,ただただしゃがみこんで耳を塞いだ。


 なにもできないまましゃがみ込み,ただただ悲鳴のよう絶叫が頭の中で響き渡った。



「なに……これ……? 怖いよ……怖い……助けて……助け…て……」



 耳を塞いだまま,固く目を閉じて助けを求めた。通行人は誰も由香子に声をかけようともせず,うずくまる姿を横目に通り過ぎていった。



「誰か……お願い……助けて……助けて……」



「なに……ねぇ……怖いよ……なんなの………」



 徐々に頭の中の声がかすれてゆき,やがて頭の奥の方へと染み込んでいくような感じがした。すべての雑音が聞こえなくなり,耳の奥でキーンともシーンともいえるモスキート音のような不快な音が静かに鳴り続けた。


 すぐ近くに見えるガードレールに手を伸ばし,身体を支えるようにして恐る恐る立ち上がった。


 通行人は相変わらず誰も声を掛けることなく,時おり由香子を邪魔なものを見るような目でチラリと見る通行人もいた。


 ゆっくりと背筋を伸ばし,辺りを見回すと既に二人は居なくなっていた。軽い頭痛がしたが,なんとか歩けたのでいつでも身体を支えられるようにガードレール脇をゆっくり進んだ。


 突然起こった異常な現象に,恐怖で優のことを考えることができなかった。頭を押さえながら,次に絶叫が聞こえてきたらどうしよう,脳の病気なのだろうか,すぐにでも病院に行って検査を受けたほうがよいのだろうか,と不安になった。


 数年前に,職場で脳梗塞で倒れた年配の社員を思い出した。彼は日頃の不摂生と常に健康診断で再検査になっていたこともあり,彼が倒れたというニュースを聞いても誰も驚かなかった。そんな社員とは違い,由香子は酒もタバコもやらず健康診断で引っかかったこともなかった。なのに突然,頭の中で絶叫のような大声のようなものが聞こえてきたことに納得がいかなかった。



「なんなの……なんなのよ……」



 ふらつく足元が歪んで見えた。ガードレールに掴まり深呼吸をしてから気持ちを落ち着かせようと背筋を伸ばした。一瞬手を放してみたが,身体が震え,その場で崩れ落ちるようにうずくまった。



「なんなの……ほんとに……なんなの……」



 目を閉じ,ぐるぐると回るような眩暈に耐えながら唇を固く結び,全身にじっとりと汗をかいているのを感じていた。



「病気だ……救急車を呼ばなくちゃ……誰か……誰か……お願いだから,救急車を呼んで……」



 何度も心の中で訴えたが,誰一人として由香子のために足を止める者はおらず,由香子はそのまま倒れると意識を失った。


 目が覚めると,見慣れた街の中に一人でポツンと立っていた。いつからここに立っているのかわからず,辺りを見回した。周りの人たちは由香子を無視するように歩き,まるでそこに由香子が存在していないかのようだった。


 しばらくして,優が由香子に向かって歩いてくるのが目に入った。驚いて隠れようと思ったが、不自然な動きをしたらすぐに見つかってしまうと思い,身体の向きを変えた。


 優の隣には見知らぬ女性が笑顔で優に話しかけていた。胸が高鳴り,久しぶりに見る優の姿に緊張した。楽しそうな笑顔を見せながら近づいてくる二人の姿に,緊張と嫉妬のような得体の知れない感情が全身を包み込み気持ち悪くなった。


 その場で下を向き,気付いて欲しいという気持ちと,いまの自分を見て欲しくないという気持ちが錯綜した。そして二人は由香子に気付かず,そのまますぐ横を通り過ぎていった。


 顔を上げ,通り過ぎて行った二人の後ろ姿を見た。見覚えのあるジャケットは五年以上前から着ているし,少し痩せたように見えたが優の髪型はほとんど変わっていなかった。


 由香子は激しく鳴り続ける胸の高鳴りに我慢ができず,距離をとって二人の後をつけた。


 優の変わらない歩き方が昔を思い出させた。陸上に役立つからと,普段から独特な歩き方をしていた。


 目の前で二人が楽しそうにしている姿を見ながら心の中で何度も二人の不幸を望み,怨み,怒りをぶつけ続けた。



 なんで私だけが……なんで,あんたたちはそんなに楽しそうに……



 うっ……………………


 うっ……………………


 うっ……………………


 うっ……………………



 頭の中で声が駆け巡った。 何度も何度も優を思い,泣き続けていた自分の声が頭の中をいっぱいにした。優との想い出が走馬灯のように駆け巡り,同時に横にいる女に対する憎悪が心をいっぱいにした。



 あんなに裏切らないって約束したのに……全部,この女のせいだ……


 頭の中で自分の声が響き渡った。



 うっ……………………


 うっ……………………


 うっ……………………


 うっ……………………



 目の前で肩を寄せ合って歩く二人を見ながら怒りで殺意さえ感じた。自分を裏切った優を殺してやりたいと思った。


 二人の後を付けながら交差点に差し掛かると,急に全身に激痛が走り,全身の骨が軋んだ。骨という骨が悲鳴にも似た音を立てながらありえない方向に腕や脚が曲がっていった。



 ヴガァァァァァ……ヴァ……ヴガァァァァ…………



 突然意識が遠のき,前のめりになってゆっくりと倒れた。意識を失いながら倒れてゆき,手を出すことなくアスファルトの道路に激しく顔を打ち付け,ゴンという鈍い音とともに意識が戻ったほんの一瞬,交差点で楽しそうにしている二人の姿が目に入った。二人は倒れている由香子に気付かず,楽しそうに会話をしながら交差点を渡っていった。


 優のその笑顔は,由香子が見たこともないほど優しく温かった。



 ムカつく……私の優を返して………



 由香子は目の前に広がる血の池をみながら,口と鼻から泡状の血を吐き出した。痛みはなく,自分を放って歩き去る二人を睨みながら「呪ってやる」と繰り返しつぶやき,徐々に薄れていく意識のなかで悲しみと憎しみだけは絶対に忘れないと心に刻んだ。


 目が覚めると,由香子は見慣れた街の中に一人でポツンと立っていた。仕事帰りらしく,見慣れた高級感のあるスーツ姿で愛用のビジネスバックを片手に辺りを見回した。何度も訪れたことのある通りに,いつここに来たのか,なんで一人で立っているのかがわからず戸惑った。


 行き交う人たちは由香子を完全に無視し,まるで由香子が見えていないかのようだった。誰も目を合わせることもなく,自分だけがそこに存在しないかのような不思議な気持ちになった。


 辺りを見回すと,遠くで見覚えのあるジャケットを着た優が由香子に向かって歩いてくるのが目に入った。驚いて隠れようと思ったが,どこにも身を隠せるような場所はなく,不自然な動きをしたらすぐに見つかってしまうと思い背を向けた。


 近づいてくる優の気配に緊張して気持ち悪くなった。しかし優は由香子に気付かず,そのまますぐ横を通り過ぎていった。


 激しく鳴り続ける胸の高鳴りに我慢ができず,距離をとって優の後をつけた。優は見知らぬ女性と楽しそうに笑顔で話していた。その時,なぜ優が自分と別れ,別の女にいったのかほんの少しだけわかったような気がした。それでも由香子は自分を裏切った優が許せなかった。



 うっ……………………


 うっ……………………


 うっ……………………


 うっ……………………



 頭の中で声が駆け巡った。 何度も何度も優を思い,泣き続けていた自分の声が頭の中をいっぱいにした。



 あんなに裏切らないって約束したのに……全部,この女のせいだ……



 次の瞬間,由香子の身体が撥ね飛ばされていた。交差点で直進してきた車と右折する車が衝突し,そのままの勢いでガードレールを突き破って由香子を含めて3人の通行人が撥ねられた。



 ヴガァァァァァ……ヴァ……ヴガァァァァ…



 車に撥ねられた瞬間,自分のものとは思えないほどの悲鳴のような絶叫が,身が身体の奥から湧き出した。撥ね飛ばされ,身体があちこちに叩きつけられアスファルトを血だまりにしながら,全身の骨という骨が軋み,体中から悲鳴にも似た,陶器が粉々になっていくような音が響き渡った。


 辺りは悲鳴に包まれ,三人を撥ねた車の運転手は車の中で意識を失いぐったりとしていた。


 由香子の目には,優しかった優の笑顔が浮かんでいたが,優の姿がほんやりとしていて本当はどんな顔だったのか思い出せないでいた。


 そして,ゆっくりと目を閉じると,静かに眠るように意識が薄れていった。


 眼を閉じれば真っ暗な闇の中で,思い出すのは大好きだった優の笑顔だった。全身に激痛が走り,呼吸ができず身体が冷たくなってゆくながで誰にも助けてもらえず,ゆっくりと底のない沼に沈んでゆくような気がした。


 生温かいアスファルトが真っ黒な血で染められ,自分の腕が見たことのない方向に曲がっていた。ほんの少し離れたところにお気に入りのパンプスを履いた脚が傷だらけになって転がっているのが見えた。


 目を開いているつもりが,真っ暗な闇の中をキョロキョロと見回しているようでなにも見えなかった。


 身体の痛みはもはや感じなくなっていた。それでも精神こころが延々と引き裂かれ続けるような痛みと苦しみに耐えられず,怒りと憎しみが痛みを和らげるような気がした。


 愛していると信じていた相手に裏切られる苦しみと,惨めな自分の姿が許せず,声にならない声で『絶対に許さない』と繰り返した。



 うっ……………………


 うっ……………………


 うっ……………………


 うっ……………………



 車に撥ねられ,バラバラになった身体を掻き集めようと必死に身体を動かそうと思っても,指先一つ動かすことができず,辛うじて唇が震える程度に動き,その口からは言葉にならない声が漏れた。



 うっ……………………


 うっ……………………


 うっ……………………


 うっ……………………



 バラバラになった身体を見ながら精神こころの中で『絶対に許さない』と繰り返し唱え続けた。


 人混みのなかで雑談をしながら,寂しそうな顔をする集団があった。彼らは手に花を持ち,六年前にこの交差点で同僚が交通事故で命を落としたことをいまでも気にして,命日になると花を供えるために集まった。


 当時の彼女を知る同僚は,部署にも片手で数えられる程度しか残っていなかった。それでも,四十九日,一周忌,三回忌には集まってこのガードレールに花を供えた。



「もう……七回忌になるな……。ちょうど六年前ってことか……。由香子は幸せになると思ってたんだけどな……」



 彼らはガードレールに花を固定すると,何度か花の向きとバランスを確認し、静かに手を合わせてその場を去った。


 近隣の商業ビルに入るテナントはこの交差点近くに花が供えられるのを知っていたので何も言わなかったが,度々花が供えられるのを見て,あまりよい反応をしなかった。


 何人がこの交差点で交通事故の犠牲になっているのかはわからなかったが,こうやって定期的に花が新しくなるのは誰もが知っていた。


 やがてこの交差点では,事故で命を失った若い女性が度々現れて,カップルの後ろを恐ろしい形相でぺったりとくっ付いて歩くとの噂が広まった。その女性の霊を見たという話がネットで溢れ,ちょっとした心霊スポットとして有名になっていた。


 そんな噂を耳にした元同僚たちも心苦しさと,なんともいえない罪悪感のようなものから解放されたく花を供え続けていたが,七回忌の今回を最後にしようと話し合っていた。


 そしてその日も,由香子は交差点の近くを徘徊し,優とよく似た背格好の男とその彼女を見つけると,憎しみを込めて後をつけた。


 その姿は誰にも気付かれることも,由香子自身が自覚することもなく,繰り返されていた。




 なんで……私を裏切ったの……あんなに約束したじゃない……




 裏切らないって言ったのに……



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軋む骨の音 Gacy @1598

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