第3話

「君・・・だぁれ・・・?」


やばい・・心臓の鼓動がとても早く脈うってる・・・


「お、俺は・・・」


よくよく考えたらこんな見ず知らずの人のダンボールハウスに連れ込まれて一緒に横になってるってかなり異常だし不審者だし襲われたって言われても不思議じゃないしやばいじゃんか・・


「俺・・・?」


明らかに不審がってる・・・どうにかして回避してせめて警察だけは呼ばれないように・・・ああこうなったらもう襲ってやるか?襲って身動きとれなくして口封じして・・・って何考えてんだバカそんなことしたらこの天使を冒涜することになるし、それこそ牢屋にいれられて最悪死刑になる可能性だってある・・・


素直に言おう・・・


「お、お姉さんが突然ベンチで倒れてたからその・・・水!水を欲しがってたから俺が水を飲ませてあげたんだ」

「そしたらまた寝ちゃったから・・・その・・・外だと寒いからここおれんち・・・おれんちっていっても家があるわけじゃないからダンボールなんだけど、外で寝たら寒いだろうしここに連れてきた!決して変なことしようとなんてしてないから!勘違いしないでくれ!」


変なことしてないっていったら嘘になるかもしれないけど、嘘も方便っていうしな・・・

それにそこまで変なことするつもりなかったし


「そっかぁ・・・ごめんね」


突然謝られた


なんか凄く悲しい顔をしている


いろんな思いが重なり合って俺の胸がひどく痛みを感じる・・・


「お、おねえさんどうしたの?凄く酔ってたみたいだけど」


とりあえず何か話をしないとと思って聞いてみた

本当は女神様だの天使様だのっていいたいがお姉さん・・・には見えないけどまあお姉さんで間違いはしないだろう


「えっとね・・・ちょっと彼女と・・・あ、仲の良い友だちとね・・・喧嘩しちゃって・・・一人でやけ酒してたら飲みすぎちゃって・・・迷惑かけちゃったみたいでごめんね?すぐお暇するから」


彼女?友達?うーん・・・でもこんなにふらふらな感じで絶対だめでしょ・・・終電も終わってるだろうし


ここには時計はない 

けどさっきお姉さんを運んだ時にちらっと見えた公園の時計は2時に短い針がさしかかろうとしていた

終電はきっとないだろうし、家が近くならこんな公園になんて寄らないだろう


「よっこいしょっと・・・私お暇するね・・・っつ・・・頭痛い・・・」


倒れそうな所を腕で抑える


見た目より感じない胸の柔らかさが腕に伝わる


「あっれーおっかしいいなぁ・・・いたた・・・」


酔いが抜けていないんだろう頭を抑えて痛そうだ


「ねえお姉さん無理しないでよ」


「終電も無いでしょ?今日はここに泊まっていきなよ無理することないって俺外にいるから安心してよ」


本当は外は寒いけど天使のようなお姉さんをこの寒空の中外にほっぽりだすなんて出来ない・・・

俺は外に出ようとするがジャケットの袖を引っ張られる


「だめ」


「え?」


「好意はありがたいけど君が外にでるのはだめ!せめて・・・一緒に」


おねえさんの顔が何故か赤らめている


酔っているとはいえ先程までこんなに赤くはなかったはずだ

言い方もちょっと・・・正直えっちだ・・・

まるでもっと一緒にいたいみたいな・・・帰りたくない!みたいな・・・

溜飲が下がる


「どうしたのお姉さん」


「いいから・・・こっちにいらっしゃい・・・それに寒い・・・でしょ?」


確かに寒い・・・起きて寒くなったのか、お姉さんの体が少し震えているように感じる


「ね・・・いいからこっちに来て!」


引っ張られたはずみで俺はお姉さんを押し倒したような形になった



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