ユートピア・コーリング編

PROLOGUE UTOPIA CALLING


 潮騒が告げる音。

 管理社会「TOKYO」。

 空の鬼、クウキは親の仇を探しに「境殺」に入る。

 そこで知る世界の真実。

 管理された感情の行方。

 とらわれとは。

 人間とは。

 

 漣が告げる音。

 日本一の電波塔。

 その袂で煙草を吹かす男が一人。

 学生時代、思い返す。

 殺された。

 自殺ということになっている。

 恋人、だった。

 世界を懐疑的にしか見られなくなった。

 腐った男はかく語りき。


 流氷の告げる音。

 少女は独り、笑顔で駆け出す。

 割って、割って、割って。

 無垢なる少女は何にも染まらない。

 己が狙われてる事も知らずに。

 だけど彼女は助けられるでしょう。

 空の鬼に。

 それを人は偶然じゃなくて運命と呼びます。


 ■■の告げる音、

 仮面の男、黒い黒い仮面の男。

 嘲笑う無貌。

 時は二一〇〇年。

 感情管理社会・押上。

 電波塔の城下町。

 聞こえるはずのない海の音に耳を澄まして。


 雷鳴轟く、天の告げる音。

 目を覚ませ。

 この世界は間違っている。

 雷撃の尾が駆ける。

 結末に向かって。

 自覚すらせず。

 ピースを集めていく。

 この世は夢だと。

 巨神が来る。

 狩るは九つの尾。

 人と神の和解は此処に成る。


 語る事は全て語り終えた。

 後は事細かに御覧じろ。

 これぞ百景。

 九頭竜くとぅるー異亜いあ布多群ふたぐん

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る