第6話森の探索

“グエエー...目が回る...”

どれ程飛んだのだろう、とある隠密な木々の隙間に何やら鉄やプラスチック等を組み込まれた巨大な要塞が見える。

“ピイー!ピイー!”

“ヒッ!Σ(・ω・ノ)ノ”

感想:カラスの子供は思った以上に怖かった!(;ω;)

急いで縄をほどき、大胆に木へジャーンプ!

“アブネエ、広葉樹で枝の多い所を巣作りに選ぶハシブトガラスで良かったぜ。”

カラスは巣を決して見えやすい所には作らない。理由は簡単、他の鳥よりか遥かにIQが高いからである。ハシブトガラスは主に広葉樹そして外部から見えにくい場所に巣を作る習性が有る。

“クリップもーらい!”

ついでに何か使える物を攫って猛ダッシュ!

人間様のもんだ!取り返しただけじゃー!

なんちゃってそれしか届かなかったんだが……

“秘技!クリップスライダー!”

鍵縄で繋いだ道をクリップでダーイブ!木の上も慣れればこっちのもんだ!

ピョンピョンと木を渡って、ようやく無事着!

“フウ、怖かった。”

地面に着いた瞬間汗びっしょり!実にスリルな体験だったぜ。

“自分、ひょっとして案外やれる人間だったんだ。アハ、アハハ...”

今までずっと自分を否定してきた。

サッカーはダメ。英語もダメ。好き嫌い多いし、ろくに友達でさえも作れない。

もしかしたら、自分は何か出来るかもしれない☆彡

“諦めない!俺は、諦めない!”

そう心に誓って再び立ち上がった。ハムは居ない、頼れるのは自分だけ。今考えてみると自分は太郎に頼っていた部分が多かった。食べ物も、道具でさえも。よく考えてみれば、仲間は必要であった。

“ダメだ。こんな事考えてはいけない。今必要なのは生依の確保だ。”

太郎はいつか必ず会えると信じている。食べ物は有る、問題なのはいかに身を潜めて夜をやり過ごせるかだ。視野は悪いだろう、夜の森は例え特化した生き物にとっても危険な場所だ。ムカデにヘビ、更にはイタチやテン等自分にとったら脅威な夜行生物がわんさかいる。通常の人ならともかく、この姿じゃちょっと物足りない。

“武器がいる!”

閃いた!そして早速作り始めた!

“ふっふっふっ、一寸法師如きゼロ寸法師!クリップの端で短剣が作れたぞ!”

パーフェクトとは遠いが、爛々と光を反射する刀身我ながらに良くできた!竹枝の剣入れに落ち葉のカモフラージュギリスーツ!まだ足りないのか!?楠の線香を体に巻き付けいざパーフェクト!!夜の探索いざ出陣!


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小さい観察事件簿 カイ サン @0418

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