ささたけ氏、書を読む【純猥談シリーズ】
ささたけ氏は
――などと書き出せば、数少ないフォロワー様の数少ない当エッセイの読者様でさらに限られた女性の方に対して不愉快な思いをさせてしまうかもしれない。女性に限らず男性でもそうかもしれない。もしもそうならば、その点に関しては先にお詫びさせていただく。
だが、真実である。
ささたけ氏は猥談が好きである。
とはいえ、話す相手も場所もきちんと選ぶ。そのくらいのマナー意識は持っている。
それに何も、下卑た性的欲求や痴的好奇心のために好むのではない。あくまでも話題の種類の一環として、猥談を好んでいるのである。盛り上がれるときに盛り上がれる相手と盛り上がれる場所で、話題のタブーなく会話を交わすのが好きなのである。
それはともかく。
冒頭から自己弁護の自分語りが続いたので、話を本題に戻そうと思う。
過日、カクヨム運営より公式自主企画として「カラダの芯に触れてくるほのエロなショートストーリー」なるものを募集するとお達しがあった。もしもご存じない方は、以下のリンクをご参照いただきたい。
https://kakuyomu.jp/info/entry/loveshortshortstory
以前も当エッセイ内で語ったが、ささたけ氏はこの自主企画に参加してみようと思っている。それに際し、まずは創作の参考資料として、以前より興味はあったが手を出していなかった『純猥談』なる書物に手を出してみようと思ったのである。
なお、ご存じない方のために説明すると、これは主に女性の一人称視点にて展開される、性をテーマとしたショートストーリー集である。巻末の記載によれば、元々はウェブサイトにて投稿された体験談であったらしい。あいにく私には、これが真に投稿者の体験か創作かを判断することはできないので、その真偽はさておくとしても――そういうテーマの物語としては面白い作品集であると思う。
――なんだろう、数行前にそんな物語を募集していると書いてあったような。
ふいに頭をよぎった疑念はさておき、特段の他意はなくあくまでも興味本位で、『純猥談』の文字数を調べてみた。
調査結果によると、一行あたり40文字。一ページあたりの行数は16行で構成されている。そしてページ数は――作品によってばらつきはあるが――最大でも10ページほどである。
ということは、一作品あたりの最大文字数は40×16×10で6,400文字。だが、ページに空行と空白が多々あるので、単純に考えて約5,000文字程度ではなかろうか。
――最大5,000文字で性をメインにした作品またはエッセイ?
もしかしてこれ、先の公式自主企画そのものなんじゃ――。
下衆の勘繰りが思考を巡る。
もしやカクヨム運営、ひいてはKADOKAWAは――ここにあらたなジャンルの開拓を見出したのではあるまいな? というか、有り体に言えば他社の企画を堂々と
などとささたけ氏は妄想をたくましゅうするのだが――とはいえ、それ自体を問題視するつもりなどさらさらなかったりする。
そもそも俺TUEEEEだとか異世界転生だとかざまぁとか悪役令嬢とか、同じようなジャンルをひたすら分かち合ってきたネット小説界隈である。ならば少しでも売れ筋の気配を感じるジャンルには積極的に参戦しなければ、この生き馬の目を抜くような世界は生き残れないのだろう。
実際、この『純猥談』は帯文によるとシリーズ累計――といっても、現状二冊だけだが――で、12万部を数える大ヒット作らしい。キャッチコピーは「5分で切ない
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さて、ここまで長々と語ってきたわけだが、ささたけ氏は別段、KADOKAWAの擁護や断罪がしたいわけではない。
それでは何が言いたかったのかというと――。
「同じ企画に参加予定の人は、この本が参考になるかもよ」
という、ただのおすすめだったりする。
本来、そんなことをわざわざ言う必要はない。むしろ自分だけが知っている強力な資料として、わざと黙っているほうが賢いとも思う。なんせアマギフ5,000円分がかかっているのだから。
だがささたけ氏は心の広い人間なので、己のうちに秘していれば得になることでも、なんら躊躇することなく開放する。ライバルと、分析と対策と情報を共有してお互いのレベルを高めあうのは、現代の格ゲー界隈では当然のことだからである。それと同じことを、このネット小説界でも行いたいと、格ゲーマーでもあるささたけ氏は思っているのだ。我ながら見上げた精神性であると思う。
ただしひとつだけ、知っておいてほしいことがある。
格ゲーマーは性格が悪いということを。
ささたけ氏は異世界転生もざまぁも悪役令嬢も書けない。
それでも、このネット小説の荒波をなんとか泳いでいきたいと思っている。だからこそ、参戦しやすそうなジャンルの確立が成るか否かは、わりと死活問題だったりするのである。そのためならば、己の優位性を放り投げてでも活性化を目指したいというのが、ささたけ氏の偽らざる本音なのである。他人へのおためごかしで、最終的に自分が利する場を作ろうとしているのだ。
結局は、このジャンルを拡販したいと思っているのはKADOKAWA以上にささたけ氏のほう――なのかもしれない。
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