第3話 押しに弱い男。

(いやー、絶対担当変わったよな。だって最近のお題は何か古いというか、おっさんが喜ぶのばかりだもんなあ。可哀そうに新人くん、違う作業やらされてるんだろうなあ。それはいいとして、いまいちランキングも上がらないし、オススメにも取り上げられないし運営の人ホントに見てるのかなあ。どうせ全部見れないから、ランキング上位をチラ見して、それでピックアップしてるんだろうなあ。それじゃ、ダメなんですよmonogatary.さん。新しい才能を発見したいんじゃないの。ここにいるのになあ。。。)


いつもようにmonogatary.comのお題や運営方法について、コージはつぶやいてた。


(あれ、通知の所にメッセージが来ているなあ。)


通知のメッセージを開いてみると。


『ウルトラコージ様


初めまして、monogatary.com担当の高橋と申します。

この度は、たくさんの投稿ありがとうございます。それらの作品を読ませて大変感銘を受けました。大変急で恐縮ですが執筆していただきたいテーマがございましてご連絡させて頂きました。詳細下記にて御報告致しますのでご検討の程お願い申し上げます。


テーマ ひと夏の恋

条件①女性を主人公としたラブストーリー

   ②主役は働いている20代~30代の女性



*このオファーは我々が厳選して数名のユーザーの方のみとなっております。是非ご応募の程お待ちしております。


株式会社ソニー・ミュージックエンタテイメント

SNS事業部 コンシューマー制作チーム 高橋ユウト』


(おおー、これはオファーだよな。完全に‼ でもちょっと遅すぎないmonogataryさん、散々ほっといてたくせに。。。。。。。でもやっぱりセンスあると思ってたんだよねこのサイト。まずロゴがオシャレだもん。でも恋愛ものかあ。書いたことないからなあ。。。。。。。)



一方の高橋ユウトは。

(いやー、オファーは送ったものの、ウルトラコージさんの良さが全然わからないなあ。星野さんは一押しだったけど。。。)


(あれっ、コージさんから返信きてる。。。。。)




(なにーーーーーーーーーーーーーーーーーー、辞退するってか!何の才能も無いくせに大物作家気取りやがって。でもヤバいな投稿させるのが僕の役割だからなあ。)



コージ:ん、すぐ返信来た。よっぽど書いてほしいみたいだなあ。でも恋愛もの

     興味ないしなあ。


ユウト:なにー。あの野郎また断りやがった。あー、埒があかないから電話だ!


プルルルル、プルルルル、ガチャ。


「もしもし、初めましてmonogatary担当の高橋と申します。メッセージの件でお電話させていただいたのですが、どうしてもウルトラコージさんに応募して頂きたいんですよ。」


「本当に、ありがたいんですが正直恋愛って書いたことが無いんですよね。」


「いやー、コージさんの技量があれば全然、問題ナッシングですよ。実はね、ほぼコージさんで決まりかなあってmonogataryの中では噂になってるんですよね。もちろん一応コンペになっているので絶体ではないですけどね。」


「えっ、本当ですか。」


「担当の私が言っているので信じてくださいよ。あと、大きい声では言えないんですが応募していただいたら、スタッフのオススメに5週間位お好きな作品載せますよ。」


「わかりました。応募します。」 押しに弱いコージだった。


(うわー結構ウソついたけど、応募してくれるようになってよかった。)

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