殺貝機動班結成と貝類苦手な令嬢の悩み・前編
皆さん。
苦手なものはありますか。
わたくし、沖縄のナメクジとかアフリカマイマイ、めっちゃ苦手でした。それはもう、未だにトラウマになるくらいに。
…内地のでも大概イヤーンな外観とあのヌメヌメなのに、沖縄のナメクジってね、めっちゃでかいんですよ。樹木に何匹もたかってる姿見たら発狂しますよ、イヤな人は。
更に鍾乳洞や防空壕見学ツアーとか参加したら狂乱のあまり死ぬかも知れません。落ちてくるんです。上から。
あたし、クレーゼさんやマリア連れて行った時、マジに人間サイズのTAPPS2着込んで完全防護で鍾乳洞観光しましたから。ただ、クレーゼさんは了解とばかりに周囲への熱気放出の我慢を解いてバリバリと脱水症状起こさせて殺戮していましたが。この時はあの体質が真剣に羨ましかったです。蚊やハエも熱圏に入るや否やバタバタ落ちちゃうんだもん。
更に昔、あたしがアレ苦手なの知った士官学生連中が嫌がらせでヘルメットの中に放り込んでた事もありましてね。そいつをマジにシメました。ついでにゴルディーニ少佐(当時)にめちゃくちゃ怒られてて退学寸前営倉7日の刑でした。
いや、あたしが激怒すんのはまぁ被害者としても、少佐がなぜ大激怒したか、不思議に思うかも知れません。しかし、以下に述べる事情を知れば、現代日本の邦貨に換算して一千万円は下らない視線照準装置やヘルメットカメラや情報表示器や通信機器内蔵の精密機器をオシャカにした上で「教官を伝染病罹患の危機に晒した」として軍法会議に送ってたのは無理もない話なんですよ。
ええ、アフリカマイマイ含めてあいつら広東住血吸虫持ってますので、本体はもとより這った後を触るのすらヤバいんです。
件のアホやらかした北欧系学生はどうもそれを忘れてたらしくて、営倉にブチ込まれる前にあたしや米軍系の教官で熱帯系の防疫に詳しい人とで、みっちりと山梨県の例の殺貝機動班の資料とか見せて日本住血吸虫の恐ろしさを教えると顔面蒼白になってましたが。
で、こういう時に頼れる我が
で、沖縄に飛んで恐るべき速さで住血吸虫のサンプルを入手するや否やNBに送り込んで「貝の中で成虫まで育つバージョンの
おかげで沖縄の皆様からは密かなる感謝の言葉が絶えずで。更に、クリスの調べものを手伝う関係で知ったんですが、アフリカマイマイはもとより沖縄のナメクジって一種類以外は全部外来種らしいんですよね。で「殺りましょう。遠慮はいりません」と絶滅宣言する
クリスが絶滅を決意したのも無理のない話で、菅野ちゃんを拾った後、ワーズワース卿とクロスの指示でミッドウェー前の大日本帝国を訪れた際に住血吸虫の一件で東南アジア戦線で対策する必要ができましてね。その際に事前の防疫管理の中に河口のカニの赤痢菌だのマラリアだの、当時の日本では無理もないシラミ蔓延事情だのと一緒に住血吸虫の話が出ましてね。
ええ。その時間軸だと戦時中に我々が殺貝機動班を山梨や九州北部でもやりました。つか、クリス謹製のナノマシン、それも住血吸虫の幼虫や卵を食い殺して代わりに貝に侵入して貝の中で成虫化する奴を送り込んで宮入貝もろとも根絶しました。さすがに宮入貝供養碑はもともと住血吸虫を研究していた方々に建立して頂きましたが。
まぁ、その際の諸々でクリスも「住血吸虫と宿主の貝がいかにヤバいか」を知ることになりましたので、沖縄のナメクジ根絶にも全く躊躇なく神の御許に送る意思、鋼のごとしで十字軍遠征の目をしてナノマシン撒いてました。
なもんで沖縄の生態系を乱すだろうという自然保護団体の抗議なぞ「奴らは外来種だ」という分析の前には紙のごとし。更にクリス、あんたプロテスタントやろというツッコミは、あたしの安心と安全の為に何がなんでも宮入貝、いやナメクジとアフリカマイマイを殺す意思をみなぎらせたクリスに悪いので黙っておきました。
で、実は沖縄以上の熱帯性生物のすくつたる聖院本宮、通称巨瀑宮。
滝の宮とか書くと日本の地名になりそうですが、とにかく巨大な火口湖の水を使った人工滝の中にある理由のひとつが「普段から熱気を放射している上級女官の方々を冷却する」のと、なるべく衛生的な生活環境を保つためにある訳です。
例えば水洗トイレ一つをとっても、腰から下を水中に沈めて使う上に、壮絶な大水量で常時水を流しているようなものなので、貴重品とか流れたら困るものは絶対に外してから使うように言われました。その代わりにペーパーとは葉っぱとかロープとか一切無用、強力な水圧でお股スッキリです。更に流されたものは下水専用の人工川に直行してそのまま海送りと、上水道系統とは完全分離していると聞いては、ひたすら頷くしかありまへん。
そして聖院と、その背後のダムです。
あたしたちの世界ではぶっ壊れて下流域に壊滅的な被害をもたらしましたが、どこぞ人民共和国の中央部あたりに存在した世界最大級のコンクリートダム、あれより更に少し大きいサイズだそうです。
具体的には堤体頂上部の長さが3km近くて、堤高…堤の高さが200m近くあります。で、聖院本宮の一番上の23階はその堤体から少し飛び出すくらいの高さです。
そして聖院本宮の大きさですけど、だいたい高さ200mクラスのオフィスビルを2つ横に並べたくらいはあります。ですので、みなさまの時代と比較してもかなり大きい建造物だと思うのですよ。
そして、この宮は赤道に近い熱帯域にありまして、当然のごとく気候は年中クソ暑くて雨も降るとなったらザザ降りに降ります。
地理的にこちらの地球で言うインドネシアのジャワ島とバリ島の間くらいにでかい火山島があって、そこの南側に建ってると説明せぇ言われましたが、年間降水量は桁違いで屋久島や大台ヶ原レベルの4,000〜5,000mmだそうです。だからふんだんに雨が降るので水には絶対困らん、ついでに生育条件がいいので稲三毛作OKとのこと。
なもんで現地住民たる南洋王国とかいう国の皆様の姿たるや男は褌作戦、女は成人は腰巻き姿、未成年者は褌です。山笠です。女の子は女の子の日が周期的に来るようになると腰巻ですが、まくるとフンドシが出てきます。そんな被服文化なんで、聖院の下級女官連中がケツ丸見えの褌姿にスケスケな絹のローブや麻の短い上着、当然ケツ丸見えでも全然違和感なく受け入れられているそうです。言うなれば国民皆Tバックという恐ろしい国です。すげぇ。
「なるほど、だからマリアちゃんの格好でも全然問題ない、というわけですか」現地の文化風俗に関する資料を読み読み武内さん。
「更に、他国から留学してくる学生とか出入りの商人や参拝する王族貴族富豪の類も、現地の暑さと湿気に耐えられなくて、在留中は現地ルックにならざるを得ないみたいなのよ。うちらはTシャツ半パンとか、水着やサーフィン用の衣服とかあるからまぁ、それで耐えれると思うけどね」
「タヌキ、ゴルフ用の服用意してましたで」
「…海パン用意しとけ言うといて、ゴルフズボンと半袖ポロシャツでも、多分着いた日の夕方のスコールまで保たんわ。あと聖院の中は素足でないと濡れて滑るから危ないのでみんな裸足な。外はビーチサンダルか、人によっては山歩き用のゴツ目の防水靴かワーキングブーツ。人の道以外に立ち入るなら屋久島に山登りするレベルでないとヤバい、毒ヘビとかヒルとかおるからと伝えてくれたらよろしいわ」
「ほんまにきついんですか?」
「平均気温書いてあるやろ。年間平均で30度超え余裕。しかも降水量が大台ヶ原とか屋久島レベルやで」
「なんか凄いところに行く予感がするんですが」
「あとね、そんな場所やし海洋国家いうことで、南洋王国の主構成人種はタイ人やインドネシア人に近い感じの外観やねんけど、もう一つ特徴があるのよ。陸でも水仕事、海に行けば水仕事で、胸毛やスネ毛ボーボーの人見たら外国人やいうくらいにみんなお肌つるっつるで産毛までもが薄いんよ。脇毛もない人が圧倒的」つまり、某漫画のようなスネ毛満載のおっさんはいないと天の声。だから知らんて。
「あー、生まれた時から水中生活に近いからですか!なるほど」
「まぁ、これは聖院の女官連中も同じで、あの環境で暮らしてると毛が薄い体質になっていくからねぇ。上級やと体温も高めやから必然的に体毛も薄くなるし。クレーゼさんのお股見たっしょ?お・ま・た・♪」
「いや、そら、見とうなくても見えますけどな。しかし、そんな環境やと逆に私らの方が浮きまへんか?」
「半年もあったら日焼けするやつはするやろね。もともと紫外線量は多いし、晴れたらものごっつ暑いから、クレーゼさんら上級女官はもともと北方帝国系のモロ白人だったり、西方内海王国とか葡萄公国の…こっちで言うラテン系の血筋でも、長年あそこで暮らしたら必然的に順応するわけでねぇ」
「まぁしかし、私はこうやってお嬢さんから直接、色々と教えて貰えましたから問題を理解できましたけど、うちの若い連中が文句言わんかいなぁと…今の日本の若いもんの常識がことごとく粉砕されそうな場所ですからなぁ」
「あの人らなりの長年の生活の知恵や経験からの積み重ねやし、調べて行けば知的水準の高さは相当な物でっせ。文字体系かて自国の文字以外にも、貿易相手国の言葉を普通に併記してはるみたいですしな。ただ、やはり寄生虫問題は相当にきついようで」と、同じく資料を見ながら田中部長。
なぜ経理屋の田中さんが上町まで来てるのかというと、先日の一件で地域民俗学に長年興味を抱いていて、今でも長い休みが取れる時にはカンボジアやインドネシアやチベットなど、文化遺跡を見て回るのが趣味らしいのが発覚して、現地風俗対策要員として白羽の矢が立ったのです。
趣味は身を助けるのかはわからんけど、とにかく詳しいのには間違いないですね。
なお、ここでいう田中部長の担当分野の風俗の意味ですけど、いわゆる性風俗や風俗営業法のカテゴリーではありません。
文明や文化習慣風習といった、広義の意味の風俗ですから。
間違えたら田中部長、泣くからな。あと、娘の雅美さん…あたしの古くからの知り合いも泣くからな。
実際に、早速間違えた若い奴がいて、あたしが民俗学博物館行ってレポート書いてこいの刑に処したら「俺こんな大学生みたいなことやった事ありません!口の報告で勘弁してください!」とか泣き入れてきやがったけどな。
「はぁ…聖院の周りはとりあえず何とかなってねんけど、南洋王国自体はまだまだかぁ、住血吸虫」
「とりあえず視察者に読ます回覧にも、陸貝の類は絶対触るなと書かしてますわ。聖院の中やったら全然おらんのでしょ?そういうヤバい虫」
「うん。あそこはゴキブリやネズミも含めて、生きてはおれん。迷い込んでも数分から数時間の命や。ただ問題は城下町でねぇ。聖院領の門から先に南洋王国の街があって、人の行き来自体は夜間以外自由やねんけど、南洋王国への経済支援の意味もあって、飯や買い物はなるべく南洋側の市場街を使ってくれと言われとんのよ。んで、向こうも向こうで、色々とよその国の人の目を引くものを揃えているし、港町やから当然、酒に女にとね、誘惑がね」
「それは聖院とは関係ありますの?」
「直接には無関係。聖院の女官はあくまで奉仕活動みたいなもんなんやけど、はっきり言うたら日本で言う風俗サービスの概念で仕事してないからなぁ。言うたら神社でお布施して、巫女さん主導でアレするようなもんやねん。んで、基本的には抱えてる相談事を解き明かす過程で合体するようなもんなんで、性欲処理のためだけに来るのはまだしも、巫女さんいてこまして口説いたろか思てくるような不埒モノは、ほぼ全絞りにされるお仕置きを食らいます。うはは」
「ああそうか、女官さんらは下心が読めますねんな」
「そーそー、だから、普通の娼婦の需要もちゃんとあってね。んで、南洋王国でもそういう特殊立地なのがわかってるから徳政令敷いて、他所でやるより売春税を割安にしてるらしいんよ。なもんで…行く前からアタマ痛い話やねんけどね、私らが見ても驚くような、でかい色街があんのよ」
そう、南洋王国は海洋立国なので港町と言えば娼館という常識が存在する国なのです!
で、売春をやる奴は税を納めろという話になっておりまして、売春婦1人につきナンボの人頭税制を敷いています。そして、紙がまだまだ貴重な上に高温多湿な土地柄なので、めんどくっさい書類申請とか書類保管をしなくても簡単に管理できるようにしてるんですね。
そして売春婦自らに売春税を納めさせて、売春婦専用の鑑札を更新させるシステムなのです。
となると、お店としてはどれだけ良質の売春婦を集めて好条件で雇用できるかが売り上げの鍵になりますよね。そして、売春宿の主人や遣り手ババアにも個人税の形で税金がかかるから取り漏れはなく合理的っちゃ合理的ですよね。
そして売春宿の客はやることをやる前に、必ず
でないと、ボッタクリや美人局やらのトラブルがあっても
ただし札を提げたおねーちゃんと致してもめたら、必ず調べてくれる上に「店に札なしを充てがわれそうになった。金返せ」と文句を言うと問答無用で聖院の警備騎士に率いられた罪人自警団が踏み込むそうです。
ちなみに盲目の人が売春宿を利用して揉めたら問答無用で取締りになっているそうですよ。
…ただしこの世界はこちらでいう中世なので、稼げぬ者については福祉制度何それおいしいのという感じで、まだまだ厳しい世界です。聖院で治療を受けるか、自費で介護を受けないと死ぬしかありません。
このため、こちらでいう障害者向けの風俗需要はそもそもかなり少ないのであったりと天の声。なお、聖院にたどり着いて目を治して欲しいとかいう訴えの場合、治る保証はともかく「生きてここにたどり着くまでが大変だったろうから」とお布施は取らない方針だとか。
(あと、国同士の争いに聖院は介入しませんわ。但し人民が迷惑をこうむったと訴えてきたり、はたまたどちらかが聖院側に泣きついた場合は両方とも潰す前提で介入するからよろしくと伝えております。要は自分たちでお尻を拭けないいくさをするなという事ですわ。ほほほ)だそうです。なもんで廃兵院に類する施設や制度を必要とする障害者自体は、文明レベルを鑑みると異様に少ない模様。
つまり、闇営業をしてる店と揉めても合意してヤった後だと一切文句は聞かないから、嫌ならお上公認の淫売宿に行けやと。
そして罪人頭という地位ですが、こちらでいう昔の
そして罪人頭、実は聖院に送り込まれた要更生者で文武に明るい「男」が就く習わしになっていて、罪人ではあるが治安を預かるが故に地位は高く、配下の非人罪人にもそれなりの人選を求めるそうな。
で、色街の警護方は他の罪人業務よりお給金も貰える上に、果てはちゃんと任期を勤めれば減刑や高給士官の口も利いて貰えたり、色気満々のおねーちゃん側の訴えで動くことも多いとあって、要更生者の中では人気の職種らしいです。この辺の罪人制度、おいおい別の機会にもその話が出てくるでしょう。
…で、なんで向こうの売春業界の解説とかしてるというに、役員会で検討した結果、是非に我が社であちらを視察したいという話になりましてな。
そして、誘惑に負けたり堪え性がなさそうなウチの若いモン行かせたりですね、誘惑に負けたり堪え性が甚だしくなさそうなウチのおっさんどもを行かせるとまずそうな事案について事前検討をしておる訳ですわ。
更に向こうの視察、実は単身者や家族赴任者の可能性を探るためもあって、人選を役員に留めていません。一般社員と家族も慰労目的でニ泊三日で連れて行ってやろうと。
そして向こうでマリアと会わせてちょっとの間過ごしてもらい、具体的にお互いのギャップがどれだけあるか相互認識を図りつつも「学校行きたい」というマリアのお願いを叶えるための下地作りでもあるわけで。
待っててねマリア、おかーさん頑張ってるからね。
「ところで現地では、当然だと思いますがペイウォッチとか電子マネー、一切使えまへんわな。現地通貨はクレーゼさんが聖院で用意して下さるとの事でしたが…」そう、ウチら、お財布というものが過去の文化財と化して100年は経過した生活してますねん。
「その点に関しては問題ございません。人数さえきちんとお知らせ頂きましたら、向こうでおサイフ代わりになっている金袋というものを用意させますわ。ただし街中ではスリに注意して下さいまし」と、いつの間にか来てる痴女。
「ですから痴女ではございませんと。あ、田中様。お渡しするのはわたくしども聖院内で使っております聖環で、参詣の皆様にお貸ししておりますものになります。街に行く者やお帰りの方には銭換処で貨幣に変えたり、必要な金子を受け取る仕組みにしておりますの」
はい、こないだ話に出たキャッシュレスシステムの件です。
で、クレーゼさんが自分用の聖環を付けた左腕を見せています。
実はこの輪っかに埋められた水晶みたいな鉱物結晶、実は光学メモリーみたいな働きをしていて身分証やらお財布カードみたいに使っているとか。
聖院内での女官食堂や罪人食堂だのよろず屋で飲み食い買い物に使うと聞いて、田中部長が文明レベル侮り難しとしげしげ見ていたが、これ聖院以外で扱ってないオーパーツやからね。
更に、聖環の存在と使い方を知ったある社員が「どっかの監獄まがいな工場の社員食堂で飯を食う期間工を思わせてなんかイヤ」と呟いていたが、あたしも軍の食堂やPXを連想したのは内緒な。
「現地…南洋王国の通貨はどんなものになります?」
「昔は現地の木や石を使っておりましたが、わたくしどもが火山の付近から金銀ですとか、王国内の軽貨金ですとか不錆金を掘り出してお渡ししております。金銀につきましては王国の木材や香料や魚介を切に欲する国と交渉いたしまして、王国向けの貨幣をこしらえて頂く材料としてお渡し願いたいとしております」つまり、ボーキサイトやニッケルも産出してるのですよ。
「あの辺りは様々なものが豊富な分、物価が安うございまして、金貨銀貨はとりあえず他国との大口取引用兼国の資産としてお持ち頂いております。大抵の商人取引は物物交換で済むご様子ですね。街中で使う軽貨や銀鉄貨でたいていの買い物はまかなえますわ」
で、何気にクレーゼさん流してるけど、ここ注意。
アルミの精錬してはります、この人ら。
更に金を精錬できてます。灰吹いて金取り出してないからな。
更にさらに、南洋王国内の鉱物資源やら何やらを割と好きに扱ってそうな雰囲気を察している田中部長がですね「…南洋王国って、もしかして聖院の傀儡国家にされてません?」と質問すればですね。
「ええ、あたくしの魅力に国王陛下もめろめろでして…というのは本当ですがほほほ。ま、わたくしどもとて諸国に対し不戦不介入不支の建前は建前といたしまして、実際には商いはもとより、様々な取引をさせて頂く必要もございまして」つまり、ヤ◯ザのフロント企業な役目もあるそうです、南洋王国。
そんな大日本帝国の皆様の南洋統治も驚きのワザマエで、聖院が現地に根を下ろして一千年くらいになるそうですが、更にクレーゼさんが、あたし以外の全員がひっくり返る驚きの事実をですね。
「しかし、お伺いしておりますと…そちらの気候では魚を干して保存するには不向きなご様子。更に輸出ともなれば、帆船で運ぶには鮮度が気になりますが、その辺りは一体…」
「うふ。田中様は本当にお
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