口にし難い地域名と職場のアイドルの悩み
さて、みなさま。
ただいま、干潟なのに湖とはこれ如何にという場所から中継させて頂いております。
なお、日本国航空自衛軍那覇基地では、新任者や転任者が着任した時の歓迎会でここに連れて来て、案内看板の地名を大声で叫ばせるそうです。
あたしも何故か航空自衛軍の男子諸君と一緒に叫んでいましたので「何で高木少尉は普通にここの地名をでかい声で堂々と言えるのだ、あの女に羞恥心はないのか、さすがは日系ロシア人だ」とセクハラ空振りを残念がられたらしいのですが。
ええ、何を隠そうですね、士官学校を卒業してママの店を去る際の追い出しパーティーの時にですね、常連客と女の子達とでここに連れて来られているのですよ。
だが君たち、その呼称は大阪で生まれた
うちを恥ずかしがらせるなら大阪弁が炸裂する某金融漫画の背景看板みたいに
そして皆さんに無理のない範囲で協力して欲しいのですが、私らの時代では九州道沖縄支庁那覇市、昔は沖縄県那覇市の観光的知名度向上のためにも、この一帯の地名を全力で叫んでいただきたいのです。
なるべく人の多い場所で。
できる限り大きな声で。
那 覇 の 名 所 は
…すんません、まだお酒残ってました。
ええ、たった今ドメちゃんこと日本国航空自衛軍の
琉球ニュースに知られたらまたグンクツガーヘイタイガーグンタイガーヘンタイガーとか流されてしまいそうです。
あたくしもドメちゃんもクリスも私服ですが、一名…あたしがオープンキャリーで複合短機関銃提げてますから正体丸わかりです。
更に那覇の12月という事ですが、レギパンTシャツジャケットでわざと地味子方向に擬装した日本人はともかく、半分ロシア人の方はサマーコートにチビTに黒レザーのハイレグショーパン網タイブーツです。肩に吊ったMM190という銃がなかったら
まぁ何ですね。ゴルディーニ大佐に菅野ちゃん預けた後、三人でステーキハウスに繰り出して酔い覚ましステーキというお定まりのコースの際に
「えー、わたしはそんな洗礼受けてませんよー。セクハラはイヤですけど仲間はずれもイヤですー」というミリドルとしても通用しそうな女の依頼で自動タクシーの配車を受けましてね。
で、ラムサール条約保護地域に住んでて、夜は寝てるだろう野鳥に迷惑な行為に及んだ訳で。
「ジーナさん。僕の日本語もまだまだ不備があるとは思いますが、今やっておられたのは…英語で言う4レターワードに酷似した地名をわざと叫ぶ遊びですか」
「そーでーす。Pus*y LakeとかCu*t Lakeの日本語訳と同じ発音なのよーダーリーン」
「あー、ドウオンイゴというものですね。なるほど」
「まぁ沖縄も第三次大戦後はかなり人が変わったみたいでねぇ。とりあえず内地の工場誘致が進んだり、大きい船が入れるように港掘ったり色々あってね、昔はそれなりに観光地やったけど、今は本土にあまり観光客が来なくなったんよ。みんな那覇で乗り換えて奄美や
「地元の人はデートスポットにしてるみたいなんですけど、わたしから見たらきもだめしスポットですよう」
「ドメちゃん、本島の心霊スポット、クリスは地衣類調査のかたわらであらかた制覇してるからな。ブリテン人の幽霊屋敷趣味なめたらあかんで、はっはっはっ」
「でもオキナワとイオージマは真剣にコワイですよ。死者のケタがチガいますし、死因が戦死とはっきりしていますからねぇ」
あ、クレーゼさんとマリアも過去に光学迷彩処置で誤魔化しながら沖縄観光と洒落込んだことがあります。
で、その際、なんとかの塔だの激戦地だった辺りだのを訪れているんですが、その時の感想を要約いたしますと「何らかの残留記憶めいたものがまとわりついてウザいから体温上げたい。私たちは霊魂という概念がないから除霊という作業はできないが、ここが聖院領なら間違いなく浄化の炎で焼いて回ります」と恐ろしいことを平然とのたまわれました。そして実際に実行しかけて、危うく那覇基地に駐めていたカリバーンのマジェスティック・キャンセラーがフルパワーでパッシブ発動しかけたとか色々騒ぎがありましてね。
ちなマジェスティック・キャンセラーというのはクレーゼさんの方の地球に行って活動するにあたり
理解を深めるキーワード「そげぶ」で説明が済むとは天の声。
これは超光速粒子銃を搭載した機体ならソフトウェア更新で使えるそうで、現状ではエオンとアークロイヤル級空母全艦とカリバーン、そして連邦側では
もっとも、MIDI-04は「凶悪な死刑囚の脳を1機あたり7個搭載して戦闘機動を学習させる為に作った代物」で、学習完了した暁には対NB戦に投入して殱滅攻撃させる予定だったとかで。
で、こんな物騒なもんを連邦に運用されてはたまらんとばかりに13機めのMIDI-04の人格を移植したM-IKLA20の仕掛けた光電子戦の結果、専用母艦ごと強奪して接収したそうです。つまり、このMIDIとかM-IKLAとか言われる最終殲滅決戦兵器めいた物件は全て、NBに味方しているエオンの管理下にあり、連邦としては全く手出しが出来ないばかりか対抗手段をほぼ持っていないも同然です。
まぁ、こんなもんを連邦が保有したままであるのはもちろん、NB側に自由に使わせても危ないとなりまして、ぶっちゃけワーズワース卿に「これは流石にうかつに使われると暴走して人類を殱滅しかねない。とりあえずクリス専用機の
「まぁ、祟られそうになったらアークロイヤルが勝手にマジェスティック・キャンセラー発動しよるやろ」
「えー、あれ使うと後で困るんですよ?しばらくコレで勝てなくなるんですから」と、ボタン押したりレバーを引く操作をするギャンブラー1名。あ、沖縄にはまだ直径3cmのメダルを使う、なんとか絵合わせの台で遊べるお店、少しですが残ってますよ。ただ…どっか民主主義人民共和国に対して不本意な資金援助をする自衛官多数という図式は描けなくなったようですがっ。
「ところでドメちゃん。我々はこの後ですね、その、何ですね」
「えー、はっきり言ってくださいよー。あたしも漫湖って叫んだんですよ漫湖。あたし都内生まれなんでモロに恥ずかしい単語だったんですよ?」
「町田は都内なのかー!都内だったのかー!」
「マチダというのはどんな所なんですか?」
「えっとねー、ロンドンで言うと西のスウィンドンとかオックスフォードのあたり」
「なるほど、トウキョウに対するベッドタウンの位置づけですね」ベッドタウンの概念は我々発祥だと言わんばかりの旦那さん。そんな先進的な国がどうしてああなってこうなってああなったんやと突っ込んだら流石に喧嘩必至なのでジーナさん言いません。
「まぁ、そのー、クリスにわかりやすく言うと、行政的にはベルファストなのよ、町田」
「おお、わかります。ブリテンなのにアイルランド扱いにされかねないような立地にマチダもあるわけですね」
「それはいいですから!今日は朝まで一緒させてくださいよ!」
「え」あの、百目鬼三尉?なぜわたくしのチビTから下乳に手を突っ込んでくるんですか?
「ええ、奥さん監視してるならクリスさんとも浮気じゃありませんよね!よね!」なんすかこの新手のハニトラ。
「いやね、ドメちゃんね、久しぶりに私ら夫婦水入らずで」
「えー、あっちの時はOKだったのにぃ〜〜〜わたしもマリアちゃんの事で相談乗ったげたんですよー?ジーナさんもわたしを助けてくださいよぉ〜〜もう隊内で下手に誰かとくっついたら険悪になりそうで困ってるんですよ?サークルのお姫様がこんな状態なのかって体験、もうしたくないですよぉ〜〜〜」泣き上戸とか笑い上戸というのは何人も見たが、エロ上戸というのはどうなんですか一体。
で。こういう時のクリスえもん。助けてダーリン。
「ジーナさん、これは百目鬼さんの希望をある程度叶えないと収まらないと思えます。しかし僕はジーナさんの許可がないと百目鬼さんをどうこうできません」つまり、あたくしがOKすれば対策があると。
で、沖縄といえば、かつて「対案がある」とあるある詐欺ぶちかまして県民の怒りを買った
ですが、あの頭がいかれたファッションスタイルな上に目つきが危ない鳥類首相ではなくですね、クリスの言うことです。真剣極まりない目の亭主を信じずして妻と言えるのでしょうか。
「夫よ、この子羊を救う案があるのですか?あれば今すぐ!ハリアップぷりーずぅううう」いよいよ貞操の危機を感じるのですが。ドメちゃんものすごく体温高いし。
「クレーゼさんより預かっているものがあります。今回、日本に帰った後での時に悪い予感がするからと」
「まさか…これ?」この際のジェスチャーをするあたくしの手の動き。まず右手人差し指と親指で丸を作ります。そしてその丸に、伸ばした左手親指でも人差し指でもいいから突っ込んで前後運動してください。
無言で頷く旦那。その目が語っています。人助けと思って頑張ってくれ、と。
ああ神様。なぜ百合百合しい展開になるのですか。あたしは男が欲しいのであって、女いらんねんと言いたいです。
そこからの事はよく覚えていません。語りたくもありません。気持ち良かったですけど、なんか人として間違ったコースを飛んだ気がします。それも、リヒートブースター全開にしたドゥブルヴェとか、ICD/Gフルアシスト状態のババヤガーで近大気圏外迎撃上昇を行う勢いで。更にクリスの顔も、なんか朝起きて煙草吸ってる悪役の横で、シーツ被って肩震わせてるヒロインのような表情です。そして吸い尽くされた顔です。
二人の記憶が欠落した間に起きた出来事について知りたい場合ですが、天の声にリクエストしたら天の導きで何かが降ってくるかも知れません。
が、よろしければ、あたくしの人としての尊厳に協力して欲しいです。出来れば。出来る限り。可能な限り。
そして翌朝の那覇基地の門前で、ツヤツヤテカテカな顔のドメちゃんを降ろした後のタクシー後席に並ぶ、死にかけた顔と搾り取られ切った顔。
「なぁクリス。わたしら、確かに人に助けられてるけど」
「そうですね」
「だからと言って、人を助けるのにも限度があるやん」
「そうですね(力強く)」
「次からは体力が充実してる時にしよな」
「可能ならば、出来る限り断りましょう」改めて夫婦の誓いを立てる二人に、神の救いがあらん事を。
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ジーナ「えらい目におうた」
クリス「えらい目にあいました」
ひとみ「えらい目にあわしました」
ジーナ「で、この時はまだ、あたし痴女種化してへんのよね」
クリス「なってたら瞳さん死にますからやめましょう。リベンジマッチも禁止で」
ひとみ「…確かにあたしもそれだと分が悪い。つかマリアちゃんに頼んでますた」
マリア「まぁ、痴女種についてはおいおい話が出るけど、今の段階では、そうねぇ」
ジーナ「まず発熱問題がある程度解決する」
マリア「ただ、別の問題が出るのよ…普通の妊娠はほぼ不可能になります」
ジーナ「それと、一般男性や女性と、そういう事する制限が入る」
マリア「妊娠に必要な作業すらできなくなっちゃう話が出ますよっ」
クリス「で、僕とジーナさんはマリアンヌ…げほげほげほっ」
マリア「とーさんその名前はまだ言わない約束よっ」
ジーナ「何やらマリアが何かを作って食べさせようとしている模様やねんけど」
クリス「インポタケの匂いがします。それも乾燥させて味が良くなった状態の」
ジーナ「マリ公。しばくぞ。弱効化してへんインポタケを雑炊にするなっ」
マリア「痛いじゃないっ」
ジーナ「ちなみにこのインポタケとか、今まさにマリ公をはたいたハリセンは後で重要アイテムと化すのである」
マリア「この名前、確かにあたしが付けたんだけど…厳密に言うと痴女皇国の方のマリアがつけたのよ!」
ジーナ「ひどい名前には違いない。そしてその恐怖の効能もいずれ語られるであろう」
クリス「副作用さえなかったら美味しいんですよ。日本で言うシメジや松茸ポジションの味ですね」
ジーナ「その副作用が強力やねん…弱毒種開発にマリアとクリスが着手せざるを得なかったくらいな…」
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