★一章【2】の感想

 はじめに懺悔します。

 文章には、一切手を入れないつもりでした。

 ひとつだけ、直しちゃった……。

 【2】のラストのところです。



(修正前)満天の星空であった

(修正後)満天の星空だった



 これ……。うーん。

 である調で書いてるところもあるから、間違ってはいないのかもしれないけど、目に入った瞬間に「時代劇のナレーションみたい」と思ってしまって、光の速さで直してしまった。


 でもこれ、ここだけ直してもしょうがないんだよな。

 ちょっと検索しただけで、「である」の嵐だった。

 このあたりを書いていた時には、たぶん、もう二十五才でした。

 二十五才がねえ、いっしょうけんめい背のびして、「である」とかねえ、もうねえ……。

 四十一才のわたしですら、「である」は使わないわ。なんか、まだ早い気がする。

 あれでしょ。昭和の頃の大家の劇画の忍者漫画みたいな、ああいう感じを出したかったのかな。

 希莉江きりえの一人称で書いたら、どれだけすっきり書けたことか!



 ちょっとやってみます。



(原文)

「蛇の道は蛇ってことさ。村の雑用係を請け負う代わりに、毎月給料がもらえる」

「いい身分じゃない」

「まあね。これでも苦労してるんだけど」

「分かるわ。なんか疲れてる感じがするもの」

「……」

 叉雷はばつが悪そうな顔をする。

「おれ今日はちょっと調子が悪くて、当たりがきつかったかも知れないな。ごめんね」

「病気なの?」

「違うよ。二日酔い」

「酔っぱらってたの?」

 問い返す希莉江は呆れ顔である。

「うぅ。恥ずかしい」

 叉雷は両手を目元に置いて呻いた。

「どうしたの?」

 そのままの格好で急に足を止めた叉雷を、希莉江が不審そうに見つめている。

「いや。何でもないよ」

 はっとしたように手を下ろす。叉雷は目にゴミでも入ったかのように瞬きをしている。


(修正後)

「蛇の道は蛇ってことさ。村の雑用係を請け負う代わりに、毎月給料がもらえる」

「いい身分じゃない」

「まあね。これでも苦労してるんだけど」

「分かるわ。なんか疲れてる感じがするもの」

「……」

 サライは、ばつが悪そうな顔をした。この人も、こんな顔をするのかと思った。

「おれ今日はちょっと調子が悪くて、当たりがきつかったかも知れないな。ごめんね」

「病気なの?」

「違うよ。二日酔い」

「酔っぱらってたの?」

 呆れてしまった。

「うぅ。恥ずかしい」

 両手で目を隠して、うめいた。

「どうしたの?」

 そのままの格好で、急に足を止めてしまったので、どうしたらいいのかわからなくなった。ただ、サライを見つめているしかない。

「いや。何でもないよ」

 サライが、はっとしたように手を下ろした。目にゴミでも入ったみたいに、瞬きをしている。



 台詞はそのままです。

 希莉江は叉雷をサライと呼んでいるので、そこも直してます。

 視点を希莉江固定にした方が、読みやすくなるんじゃないかなー。

 好き好きですかね。このへんは。

 コメント歓迎ですので、ご意見がある方はコメントをください。

 なにぶん古い文章なので、文章の未熟さに関するご指摘はいらないです。(おい)

 今も未熟だけどな!




 わたしはプロではないので、感想にしかならない考察を続けます。

 この話、三人称になっていますが、今書くとしたら、間違いなく一人称で書きます。

 というのも、どうも、わたしは小説を漫画のプロットみたいな書き方をしているようで、とくに短編の場合は、もう一人称でしか書けないという気がしてます。

 三人称って、どうやって書くんだっけ……?

 「小説の基本は三人称」とは、よく聞く話ですが、しばらくの間は、一人称でいこうかと思っています。


 【3】に続きます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る