第8話 タポン タポン




はぁー?

「お前聞いてた?誘ったのはオレ

支払いは俺だし、行く?行かないか聞いてるだけだ?!」


泰真は怒鳴り気味に聞いてくる。

茉穂はそんなイライラした声にも

動じない。

「え、おごり?

奢りカー!」

この響に好感を持つ


「・・マジ面倒クサッ

じゃあ行かないのな!

じゃあーあぁーな!」

泰真は大袈裟にドデカい声をあげる。


「・・・・切るぞ!」



「あああチョッチ待った✋

ちなみに何食べに行くの?」


茉穂はちょと興味あり!

迷いに迷って待った!!をかけた

飯によっては考える。



「 そうだなー

今夏だから鰻?車海老

マダコ?ああ甘鯛、ササガニ

何が美味いかなーw

まあお前なんか二度と誘わない

ケド!」



「う、鰻に海産物

で奢りなら行きたい。

行く、行く。」


.。oOw美味そう

しかもイケメン狙ってた専務と

一緒って、でも俺様気質が気に

いらんけど、あとあのドーベルマン

どうにかならんものか?

筋肉質の犬、嫌いってか苦手

でも飯はカナリ優先

聞いただけでも行かなきゃ損




「つれたか? ‪🎣‬ 」

大河が電話切った後聞いてきた。



「まぁ、一応」



「グッグハハ アハハアハハ

あーおかしいっアヒャヒャヒャヒャ」


大河は大笑い183の身長を

おりまげギャハハギャハハ

と笑いすぎ



「お前の自慢のドーベルマン

をゴラ犬と呼ぶ彼女に

俺も興味ある、それに

お前の前世の嫁だしな

夢の話にせよ、その蒙古斑にも

興味がある俺もついて行くぞ

彼女からも話が聞きたいし」



「・・・ダメ江戸時代ぶりの

夕食なんだ、水入らずって

事で却下!!」


それから何故か社内メールが

茉穂に送られて来てマップだけ

が表示された!


ドン引きする茉穂は社内恋愛

アルアルじゃん、とニヤけた。


まあバスで行けない距離じゃなかったので"了解です"とだけ送信

テヘ夜は腹いっぱい食うぞー!ラッキー






何故茉穂が海産物を

好きなのかは前世の記憶から

だった。


子供が良くサワガニ、やドゼウ

川エビ、タニシを食料に

取ってきていた。

子供の顔はボンヤリだが7人はいる。

それに大喜びする茉穂の顔は

しっかりくっきり茉穂なのだ。

貧乏人の子沢山まさに

俺の家族はそうだった

茉穂は必死に働いて 働いて・・ん?


俺は・・そうだった


"色男金と力はなかりけり"

の言葉通り遊んで、ちょっと稼いで

足りない分は女作って出させて

仕事して、又遊ぶのルーティン


親方からも説教説教又説教

そんな毎日


茉穂には記憶が無いようで

ホントに何も記憶が無いか

ソコも知りたい。


俺を一番悩ませているのは

昨日夢に見た

茉穂の寂しそうな顔だ

何があった❓

今、俺の心が締め付けられる

何かがあったんだろう。

それは今の時代ではなく

江戸時代

そんな遠い過去の出来事は夢が進むにつれ明らかになってくる。




19時に待ち合わせたが

カフェに彼の姿は無い!!


「コーヒーをオカワリ、

3杯目、カプチーノ、カフェオレ

カフェラテ、もうコーヒー腹」

腹の中は真っ黒!

茉穂は携帯をチラチラ


時間は20時を指していた。

『かつがれたのかなぁ』


ふと見ると小さい子がテーブル横の椅子に座り泣いていた。


こんな子供を見ると我慢できない。

ちいちゃなお目目から流れる涙を見ると可哀想でたまらん。


茉穂はポテンとした腹をだし上着をめくり

「いない いない バ!!」

上着を下ろし又上げる

「いない いないバ!!」

上着を下ろすとポテンとした腹が消え、バ!!っとあげるとコーヒー腹が

ボヨヨヨ ヨーン


お会計をしてた親がヒッと飛んで来て「夢見て泣いたらどーすんの!」

とボヨヨヨヨーンとした腹をキッ


「だって泣いていたからつい・・」

茉穂が言い訳をすると又キッと睨まれた。

「・・・」

子供は何とも言えない顔をしていた

が泣き止んだ!


ヤレヤレちょっと遊んだだけなのに・・

なんてこったい!変人に見られたとは情けない!


そんな親子が居なくなったカフェは

だんだん恋人達が増えてきた。

茉穂は流石に腹をかくす。


茉穂が諦めてお会計を済ませ

タポンタポンしたお腹を抱えて店を出た時、ちょうバスが来てそれに乗り込んだ。


『はぁー海産物奢られのはずが

コーヒー自払いか!!

あートイレ行っておくべきだった

バスが揺れる度にモジョモジョして

落ち着かない。』



車の列は長くブレーキランプ

が連なっていた。

さっきから着信のバイブが

震える。

しかしお股をシッカリ閉めて

バスに揺れまくる茉穂には

スマホを開く余裕も無い‼️


ガタンヒッ!!バスが揺れる度に

緊張が走るお股をギュッと

閉める。

貧乏ぶるいが止まらない!


自分の住むマンションが見えた

時ホッとした


"あと少し、あと少し"

と呟きながらバスを降り

一目散に駆け出した。



トイレに座った時は

「はぁー天国」と思ったワ


アイツといるとロクでもない事になる、諒佳に愚痴ると諒佳は大笑い

「普通3杯も飲む?

それかトイレ済ましとけば

いいやん。」


「だってバスが見えてたもん。

余裕ないってー!」


「で、なんで彼来なかったの?」


「なんか、どっかの取り引き

先に呼ばれたって言ってた。」



さっきの事だった。



「もう遅い、連絡も遅い

あんた良く専務やってられるね!

コッチ腹ペコでまってて

タプタプだったんですけど❗💢」



「悪かった 手が離せなくて

そこのカフェで腹一杯

何か食べて

領収書くれたら払うし

本当にごめん、じゃあな!」


と電話はキレた。

まあ、仕事じゃあ仕方ない

ビジネスマンは理屈じゃない。



「へえそれで何かたべたの?」

諒佳は興味津々


「いや、疲れちゃったし

作るの面倒いし

もう寝る、栄養剤飲んだし」



「あんたホント面倒くさがり屋

ね、じゃあコンビニ行け

コンビニで弁当買いなさいよ。

で、買いまくって

領収書彼に送ればいいじゃん。」


茉穂は食事の心配をしてくる

諒佳に呆れながら言った。


「ねー諒佳聞いてたワタシ

疲れちゃったの、もう寝るから

お休み!」

茉穂は諒佳のアドバイスも

聞かずにベッドでゲームしながら

眠ってしまった。



そしてもう1人の着信にも気付く

ことなく就寝🌙*





ふあぁああぁあ

時計はPm6時

茉穂は毎日この時間に起床


携帯には専務からの着信が

「アーメンドイ、今度は何?」

でも無視!


ユルファなピンクのルームウェア

を着てボサボサの髪のまま

洗面所に立つ

歯磨きをして、顔を洗い

髪を洗い体を洗う!

朝の週間。


一応支度が出来たら


電気ポットのお湯でインスタント

コーヒーを アッ今日は、やめとこ


「ココアにしとこ」

茉穂はボソッと呟いた。


頭の中を昨日の事が

よぎる。




昨日コーヒーだけだったから

甘ーいココアに

お湯を注ぐ☕️ココアが

干からびた体に染み渡る


「あー癒しやん。」

コーヒーの香りも好きだけど

ココアパウダーの香りは

なんか落ち着く!


日本人なら緑茶だろうがー

と言われる事もあるけど

このカカオの香りには癒される


「早く行ってコンビニで

おにぎり買お!」

会社は8時半から始業

茉穂はそそくさとバックに


「財布、携帯、ハンカチ

資料」

と点検を済ませ


「昨日は散々だった。

チビりそうにもなったし・・ヤバ!」

そんな事を考えながら7時半に

マンションを出た。


コンビニで昆布おにぎり

と果汁100パーセントの葡萄

ジュースを購入する為レジに

並ぶ、茉穂は現金取り扱い。

パカッと開けた財布の中から昨日の

コーヒーのレシートが目に止まる。


『そのカフェで好きなのを

食べて領収書・・・云々』

専務の言葉を思い出してカフェの

領収書を見る。



この金額でご馳走様と

頭を下げるのは

チョット嫌かも。


「・・・あーもう

イライラコーヒー代くらい

払えるし!!」


海産物が食いたかった。


又執拗いメール、仕方なく

専務のメールを開いて見る


『必ず埋め合わせするから

期待して待ってて!!』



「ふんっ( ¯ ¨̯ ¯ )今度嘘ついたら

許さない!!」

専務のメールには🙏💦💦

がついていた。



「おおう期待してやろうじゃ

ないか!!」

そう呟いてパソコンのスイッチ

を入れる。




そして楽しみな昼休み

社食へとレツッゴー

茉穂は食べるの大好き

同じ課の仲間、3人と


「今日の日替わりなんだろー」

ワイワイキャーキャー言いながら

メニューを見る。


「ウッヒョー

今日は南蛮かー美味そう。」

付け合せは選べるから

グリーンサラダと味噌汁に

決定❗



「ねぇねぇ聞いた

昨日専務、ほらあの噂の

彼女と海鮮で有名な

海屋でデートらしかったって」



ん?茉穂の耳"はクイクイ

「ああ、あのお嬢様?

最近よくきてるよね。」



「そうそうお嬢様だからって

偉そーに⤴ネエ」

語尾を上げながら先輩秘書達は

お嬢様にイライラ


先輩秘書は30すぎ、

美人でキリリ嫁に行かないのか

行けないのか分からないが

若い女子には厳しい。

茉穂は28だから同類とみなして

いるのか刃は向いて来ない


チラと茉穂を見ても目が合っても

大丈夫。

これが25から20歳な女子には

目が突き刺さるような

目線、みんな小さな子猫が

ヒョウに睨まれたように

ブルブルブル


「アレ海屋って言ってないか?

海鮮で有名な?



( ; 0ᾥ0 )嘘まさか私と

行くつもりの海産物

専門の海屋?

いやいやあんな高級店

・・・私を連れて行く訳

ないやんか!!

私に来たマップには・・あのカフェだったな?安くて、早くて、美味い待てよ、カフェで刺身

でないよなー

カルパッチョじゃ無くて?


相手はだれ?



茉穂の頭にピンと来たのは

台風の日に専務と話して

いたあの美人かー

なるほどー

なるほどねー


妙な想像で妙に納得する。


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