ブラック社畜の俺、部屋で深夜アニメを見ていたら駄女神に説明もなしにドラゴンの跋扈する異世界に強制転移される。でも今は≪盾の聖女≫と共に元気に最強勇者やってます!
第14話 vsグレートドラゴン(上位種ドラゴンの中の上位種)
第14話 vsグレートドラゴン(上位種ドラゴンの中の上位種)
「ふーん、そうなんだな。ドラゴンにも強いドラゴンを出す家系があるんだな」
ドラゴンについてちょっとだけ勉強になったかも?
だからって別に俺がなにをどうするわけでもないんだけど。
『そうだ、なにせ1000体の雑兵ドラゴンよりも、我一人の方がはるかに強いのだからな! どうだ、恐ろしいだろう!』
「そんなこと言われてもなぁ。俺その1000体のドラゴン軍団を、余裕で倒しちゃったしなぁ……」
『くくっ、見ていたぞ。なにやら≪ホーリー・バルカン≫なるチマチマした技で雑魚狩りをすることだけは得意なようだな! だが我にはあんな豆つぶては効かぬのだよ!』
「はぁ、そうっすか」
『さあて、そろそろおしゃべりは終わりだ。行くぞ勇者! このグレートドラゴン様が血祭りにあげてくれるわ!』
うーん、残念。
あんまりたいした情報は得られなかったな。
っていうかこいつ、自分が強いだのエリート家系だの自慢話ばっかりなんだもん。
絶対こいつ友達いないだろ――とかなんとかちょろっと思ってしまった。
仕事でもプライベートでもまずお近づきになりたくないタイプだよ。
直属の上司なら最悪だ。
延々と自慢話を聞かされること間違いなし。
「いいぜ、かかってこいよグレートドラゴン。勇者の俺が返り討ちにしてやる」
『抜かせ、矮小な人間風情が! エリートドラゴンである我を討とうなど、身の程を知れ!!』
こうして俺とグレートドラゴンの戦いが幕を開けた!
のっけから激しい空中戦が行われる。
「おおおおおおおっっっ!!」
俺は空中で聖剣≪クラウソラス≫を振り回して斬りつけるが、
『どうしたどうしたっ! 勇者の力とはそんな程度か! 大口をたたいた割りに、全然たいしたことがないではないか!』
グレートドラゴンも鋭い牙と爪を振るい、さらには口から強烈なグレートドラゴン・ブレスを放って攻撃を仕掛けてくる。
お互いの攻撃は相殺され、戦いはすぐにどちらも決定打を繰り出せない膠着状態に入ってしまった。
「うぉりゃっ!」
『甘いわ!』
「これはどうだ!」
『くくっ、効かぬ効かぬ!!』
俺はしばらく空中戦闘を続けた後、
「なるほどな。確かにこの前に戦ったキングドラゴンよりもだいぶ強いみたいだな」
グレートドラゴンからいったん距離を取ると、頭の中でここまでの戦闘を分析して整理しつつ、軽く頷きながら呟いた。
『くくく、やっとわかったか! そしてどうだ! これが上位種の中の上位種であるグレートドラゴンの力というものだ! ガハハハハハッ!』
「なるほどね」
『今なら泣いて許しを乞えば、苦しまずに殺してやるぞ? ドラゴンは慈悲深い種族だからな! フハハハハハハハッ!!』
俺が距離を取ったのを恐れをなしたからとでも思ったのか。
やたらと上から目線で高笑いするグレートドラゴン。
だがしかし。
「うーん、でもまぁこんなもんかな。空中戦で飛びながら戦う感覚はかなり掴めたし、お前の強さもわかったし、もうそろそろお遊びは終わりにするとしよう」
俺の軽~い言葉に、
『なんだと貴様!? まさか今まで手を抜いていたというのか!?』
グレートドラゴンが驚いた表情を見せた。
そう。
俺は初めての空中での高速機動戦闘ということで、グレートドラゴンを倒すことではなく、空中での動きのコツを身体に馴染ませることを優先していたのだ。
「まぁそんなところだ。おかげで空中戦にもだいぶ慣れたし、ここからはちょっと本気で行くな」
『ばかな、本当に今まで本気ではなかったと言うのか!?』
「そのまさかさ。おらよっと!」
俺は今までとは段違いのパワーとスピードでもって、聖剣≪クラウソラス≫で切りつけた。
苛烈な連続攻撃をお見舞いする。
『ぐぅ! くっ! くぅ!? なんというパワーだ! しかも速い! 目で追いきれんだと!?』
防御すらままならないグレードドラゴンが悲鳴のような声を上げた。
「おいおいどこ見てやがる? おら! そこっ! せいやぁ!」
『ぐふっ、ぐはぁ! ば、バカな! エリートドラゴンである我が手も足も出ないなとど――!』
再び空中戦を始めた俺はグレートドラゴンを圧倒し、
もはや力の差は歴然!
「じゃあそろそろ決めるぜ。必殺! ≪アルティメット・ソード≫!!」
俺は聖剣≪クラウソラス≫を大きく振りかぶると、絶大なる聖なる力をまとった一撃をグレートドラゴンへと思い切り叩き込んだ!!
『ぐおおぉぉっ!!?? バカな、こんなことが! ありえん!! 我は! 我はドラゴンの中でも上位種の中の上位種なのだぞ――!! それが人間ごときにやられるなどと――グギャァァァァァァ――ッ!』
膨大な聖なる力を叩き込まれたグレートドラゴンは、断末魔の悲鳴をあげながら跡形もなく消し炭になった。
「ふぅ、やれやれ。上位種の中の上位種ドラゴンとか言っても、全然たいしたことはなかったな。パワーもスピードも負ける気がしなかったっての。ま、おかげで空中戦のちょうどいい練習相手になってくれたわけだけど」
俺は聖剣≪クラウソラス≫を鞘に納めると、意気揚々とリュスターナの待つお城へと帰還したのだった。
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