第13話 悪のドラゴン軍団の襲来
「来たな、悪のドラゴン軍団め。だけど飛んで火に入る夏の虫だ! 俺はまず≪ホーリー・ネット≫を張るぜ!」
俺はまず最初に、城の上空の広範囲に渡って≪ホーリー・ネット≫を展開した。
聖なる光で編んだ光のネットを張り、敵の動きを阻害する技だ。
ドラゴンたちは俺が一人でいたから舐めていたのか。
≪ホーリー・ネット≫を強引に突っ切ろうとして、しかし次々と引っかかって空中で動きを鈍らせていく。
そこへ、
「≪ホーリー・バルカン≫! オラオラオラオラオラオラオラオラーーーーッ!!」
俺は空中でろくに動けなくなったドラゴンたちに、聖なる魔力弾の弾幕を雨あられとお見舞いした!
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガンッッッッッッッッッ――――――!!
≪ホーリー・ネット≫に引っかかっていたドラゴンたちを蜂の巣にする。
撃たれたドラゴンたちはズタボロになりながら、最後は聖なる光に焼かれて消滅した。
「まだまだ行くぞ! ≪ホーリー・バルカン≫! オラオラオラオラオラオラオラオラーーーーッ!!」
俺はさらにさらにと聖なる魔力弾の弾幕を雨あられとお見舞いしていく!
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガンッッッッッッッッッ――――――!!
「もっとだ! ≪ホーリー・バルカン≫! オラオラオラオラオラオラオラオラーーーーッ!!」
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガンッッッッッッッッッ――――――!!
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガンッッッッッッッッッ――――――!!
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガンッッッッッッッッッ――――――!!
連発に連発を重ねて、かれこれ10万発は撃っただろうか?
「はぁ、はぁ……さすがにちょっと疲れたか。ま、ちょっとだけどな。戦闘する余裕はまだまだ十分にある」
モグラ叩きでもするみたいに、目につく端から片っ端から≪ホーリー・バルカン≫をドラゴンたちに撃ち込んでいくと、1000体いたドラゴン軍団はわずかの時間で跡形もなく壊滅し、1体の強そうなドラゴンだけがその場に残るだけとなった。
「おっと、察するにお前がこのドラゴン軍団を指揮していた軍団長だな?」
30メートルほどはあるだろうか。
雑兵ドラゴンたちより一回りどころか三回りくらい巨大な体躯。
あれだけの攻撃を受けながら、今だなおビリビリと大気を震わせる強者のオーラを発しながら悠然と存在し続けていた。
雑魚ドラゴンたちとは格が違っていて、明らかにボス感がある。
鱗の色は深い緑色をしていた。
『ほぅ、なるほどなるほど。この圧倒的なまでの聖なる力、さては貴様が
1000体のドラゴン軍団が全滅した状況だっていうのに、ドラゴン軍団長は余裕
「そうだ、俺が勇者だよ。そういうお前は?」
『くくく、聞いて驚くがいい! 我はグレートドラゴン! 先だってお前が倒したキングドラゴンのさらなる上位種よ!』
「ふーん、キングよりグレートの方が格上なんだな。俺的にはなんか逆な感じなんだけど」
普通、キングの方が上っぽくね?
だってキングって王って意味だろ?
『くっくく……、そのようなふざけたことを口にできるとは、まだ我の恐ろしさを理解していないようだな」
「はぁ」
『くくっ、では無知蒙昧な貴様に世界の道理というものを教えてやろう』
なんか語りたそうなので語らせてあげよう。
調子に乗ってペラペラとしゃべってくれたら、なにかしら有益な情報がゲットできるかもしれないし。
他に伏兵とか援軍もいなさそうだし、とりま倒すのはその後でもできる。
「よし、せっかくだから聞かせてもらおうか、あんたの言う道理ってやつをな」
まずはこいつの話を聞くとしよう。
『いいだろう、心して聞け! そして怯え泣き叫ぶがよい! 我はキングドラゴンや雑兵ドラゴンどもとは生まれからして違う、強力なドラゴンばかりを輩出する家系に生まれた選ばれしエリートドラゴンなのだ!』
そう言ったグレートドラゴンはまさに自信満々だった。
種族が違っても分かる程に自慢げな顔と声をしている。
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