第22話 新たな仲間

 目を覚ましたら、そこは牛丼の家だった。


 ずっとリコが治癒スキルを使っていてくれたらしく、傷が少し治っている気がする。


 とはいっても、すぐに効果は出ない。


 牛丼は【オーバーカウンター】を手に入れてしまっている。


 その【オーバーカウンター】が無意識のうちに発動してしまい、治癒スキルを妨害してしまっているのだ。


 そんな状態の牛丼は、自分を枕にして寝落ちしているリコを起こさないようにベッドから降りた。


 そして、自分の家から外に出た。


 すると、家の目の前で、スライムとイフリートが遊んでいた。


カツ丼

「牛丼! 良かった、目を覚ましてくれて」


イフリート

「……、牛丼殿。」


 イフリートがその場で土下座をした。


 その様子を見たカツ丼も慌てて土下座をした。


イフリート

「この度は、本当に申し訳なかった。」


イフリート

「俺たちのせいで、牛丼殿を危険な目に遭わせてしまった。」


カツ丼

「そうだ、もう謝るくらいじゃ足りないくらいだ。」


牛丼

「顔を上げてくれよ2人とも。」


牛丼

「俺は当たり前のことをしたまでだよ。」


カツ丼

「当たり前の事……?」


牛丼

「そうだ、目の前で助けを求めてくれてる人がいたら、普通助けるだろ?」


カツ丼

「ぎゅう……どん!!」


牛丼

「それよりも! 俺はお前らに言いたいことがあるんだ。」


牛丼

「今俺たちはさ、ここに村を作ろとう思ってるんだ。」


牛丼

「それでさ、カツ丼、イフリート。」


牛丼

「お前らもここで一緒に住まないか?」


カツ丼

「そ、そんな。だって俺たちは牛丼を殺そうとしてたし。」


牛丼

「ワザとじゃないだろ?」


牛丼

「それに、俺はお前らにいて欲しいんだよ。」


牛丼

「な?」


 牛丼がそう言うと、カツ丼は泣き出してしまった。


牛丼

「お、おい。泣くなよ。」


カツ丼

「だって、誰かに必要とされたのなんてか初めてで。」


牛丼

「そっか。」


牛丼

「イフリートも、一緒に住んでくれるだろ?」


イフリート

「牛丼殿や他の人が俺たちを受け入れてくれるなら。」


牛丼

「きっと俺の仲間たちは大歓迎さ。」


イフリート

「それなら、是非!!」


牛丼

「よぉーし、じゃあ決定だ!!」


牛丼

「2人とも、これからよろしくな!!」


 こうして、タクトの森に新たな仲間が加わったのだった。

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